2007 Fiscal Year Annual Research Report
センサーネットワークにおける状況適応型構造化手法に関する研究
Project/Area Number |
19500027
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
片山 喜章 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (10263435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直久 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (80335083)
和田 幸一 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90167198)
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Keywords | 分散アルゴリズム / 自己安定アルゴリズム / アドホックネットワーク / クラスタリング |
Research Abstract |
実施研究に関する本年度の方針は,センサーネットワークにおける通信効率のよい構造化手法の実現である。 まずは研究を進める過程で得られたいくつかの構造化手法に関して検討を行い,そのうちのひとつについて,動的なセンサーネットワーク(いわゆるモバイルアドホックネットワークに分類される)への適応を目指した改良を行った。このアルゴリズムは,センサーネットワークをスター型の部分ネットワークに分割し,それらのヘッドノード同士をゲートウェイと呼ばれるノードによって連結することで,ネットワーク内へのブロードキャストやギャザリングを効率よく行うための構造を実現するものである。我々の改良したアルゴリズムは自己安定アルゴリズムであり,かつ動的センサーネットワークにおいて既存のものよりも安定した構造を実現可能であることを,ネットワークシミュレータ(QUALNET)によって確かめた。 次に,上記とは異なるネットワーク構造として,ネットワークを完全グラフに分割(クリーク分割)することを考えた。これは動的センサーネットワークにおけるノードの出現、消減に対して,よりロバストな構造であり,またバーチャルノードによる通信に利用できる構造である。我々は,ネットワークを(サイズの意味で)極大なクリークに分割する問題を解く自己安定アルゴリズムを開発した。 さらに,動的アドホックネットワークに対する構造化およびそれに対するルーティングプロトコルを開発した。いずれも既存のルーティングプロトコルより情報転送の総量を削減し,効率よくルーティングが可能となるアルゴリズムである。 以上,今年度は3種類の異なる構造化と,それらのうち1種類に対してルーティングプロトコルを提案した。これにより今までより広い範囲のアプリケーションに対して効率の良い通信構造が実現できたと考える。
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Research Products
(9 results)