2008 Fiscal Year Annual Research Report
動的通信予測を用いた高性能・高信頼ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
19500040
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
吉永 努 The University of Electro-Communications, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (60210738)
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Keywords | ルータ / 予測器 / 低遅延ネットワーク / 相互結合網 / スイッチ / 投機ルーティング / 並列計算機ネットワーク / ネットワークオンチップ |
Research Abstract |
我々の提案する予測ルータは,次に到着するパケットの出力ポートを予測し,パケット到着前にルータ内パス設定の前処理を行うことによって通信の低遅延化を実現する. 20年度は,近年重要視されているメニーコアアーキテクチャのオンチップネットワークへの予測ルータの応用について検討し,静的解析とシミュレーションによる評価を行った.その結果,予測精度はネットワークトポロジーやアプリケーションの持つ通信パターンに影響を受けるが,適切な予測アルゴリズムを用いることで種々のネットワーク環境において低遅延化に有効であることを確認した.また,ハードウェア記述言語を用いた予測ルータの設計により,ハードウェア量とフリット転送エネルギーに関する定量的評価も行った. 具体的には,8x8 2Dメッシュ上で種々の通信トラフィックに対する予測ヒット率を調査した.予測アルゴリズムとして,パケットが直進すると予測(SS),直前のパケットと同一の出力ポートを使用すると予測(LP),通信履歴の中で頻度の高い出力ポートを選択する(FCM)を用いた.その結果,繰り返し通信が多い場合にはLPが80%以上の高い予測ヒット率を示すことがわかった.また,SSは通信距離が長くなるほど予測ヒット率が向上することも確認した.さらに,Bit-reversalやMatrix Transposeのような通信パターンでは,FCMが高い予測ヒット率を示すこともわかった.以上のように,通信パターンによって最適な予測モデルは異なり,アプリケーションに対して適切な予測アルゴリズムを用いることが重要であるといえる.
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Research Products
(6 results)