2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報集約に必要な文脈と名詞の属性を考慮した動詞の多義性解消モデルの構築
Project/Area Number |
19500122
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹内 孔一 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80311174)
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Keywords | 意味役割 / 項構造 / 動詞の語義 / 格フレーム / 意味役割付与 / 語義付与コーパス |
Research Abstract |
本年度の成果は大きく分けて1動詞と名詞の語義を付与した意味役割付与データの追加,2意味役割付与システムの開発,3動詞語義辞書を構築する理論的な考察の3点である.まず1では昨年度に引き続き既に公開されている動詞項構造シソーラスの語義体系(約1000語義)に基づき新聞記事約500文に対して人手で動詞,名詞の語義と意味役割の付与を行った.これにより合計で約1500文の事例を付与したことになる.動詞項構造シソーラスの動詞語義は昨年度公開された基本語データベース(学研)を基準としており汎用性が高いと考えられる.また,名詞の語義として日本語語彙大系ならびに分類語彙表の語義を利用した.以上により,「実権を握る/得る」や「寿司を握る/作る」という語義の異なりに応じた動詞の言い換え集合を予測する基礎データを提供することができた.構築したデータでは約120動詞に対して各語義に10例文を目標に例文を選択して語義を付与した.これにより統計的学習モデルによる自動語義付与装置の構築が限定的ではあるが可能になる.今年度は語義と意味役割付与作業のためのデータ提示・編集システムの開発を行った.これにより語義付与作業の軽減ならびに付与データの一覧が可能になり付与作業の効率化を行うことができた.次に2については1で開発した語義・意味役割付与データから事例を学習することで未知の入力テキストに対して動詞の語義および意味役割を付与するシステムを条件付確率場モデルを利用して開発した.意味役割付与精度では6%程度であることを明らかにした.最後に3については意味役割の付与における問題点を整理し,結局事象に対する人の見方による解釈の異なりがあることを意味処理システムの中に取り込むことで意味役割の位置づけを明らかにすることができた.
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Research Products
(2 results)