2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500185
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
関 陽子 National Research Institute of Police Science, 法科学第四部, 部付主任研究官 (10356157)
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Keywords | 感性情報学 / アルゴリズム / 認知科学 / 印影 / 鑑定 / 法科学 |
Research Abstract |
印影鑑定では、犯罪に関係する書類に押印されている印影(鑑定資料の印影)と、どの印章から押印されたかが明らかな印影(対照資料の印影)を比較して、両者が同じ印章から押印されだかどうかを識別する。印影を識別するためには、両者の印影を重ね合わせてパターンの一致度から両者の異同を識別するが、押印条件の相違による変動や複製精度が良好な偽造印影が存在するため、パターンの一致度のみからは正しい鑑定結果が得られない。このため、熟練した鑑定人は、印影鑑定において、パターン以外の情報を利用して鑑定結果を得ていると考えられる。そこで、鑑定人が利用している印影情報を明らかにし、定量化することを本研究の目的とした。平成19年度は、印影鑑定書を調査し、鑑定人が鑑定に利用する情報を明らかにすること、真正印影を複製して種々の方法で偽造印影を作成し、偽造手法の相違と印影の相違の関係を明ちがにするための実験及び調査を行った。また、人間の情報処理の脳内メカニズムについても調香を行った。印影鑑定書の調査からは、鑑定人は印肉の付着状況を拡大検査し、着肉量、印章で押印されたかどうかの検討、押印圧などから押印状況を推定していることがわかった。また推定された押印状況をとパターン一致度を評価して鑑定結果を得ていることがわかった。偽造印影作成時毛件からは、偽造印影の作成手法と印影の再現状態とに相関があることがわかった。さらに、人間の認知特性をもとに筆跡特徴を数値化して類似する筆跡を分類する手法をもとに、印影の押印状況の定量化について検討した。
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