2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500230
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
生塩 研一 Kinki University, 医学部, 助教 (30296751)
|
Keywords | 時間認知 / 時間知覚 / 大脳生理学 / 電気生理学 / 前頭前野 / 線条体 / 大脳基底核 / 霊長類 |
Research Abstract |
前頭前野と線条体は、脳機能イメージング実験などから時間情報処理に関与していると考えられている。本研究では、両者の具体的な役割を明らかするため、サルを使って電気生理実験を実施した。実験では、2つの視覚刺激(青色か赤色の四角形。1番目をC1、2番目をC2と呼ぶ)をそれぞれ異なる時間(0.2-2秒)で引き続いて呈示した後、呈示時間が長かった方を選択すると報酬が得られる時間弁別課題を課した。線条体ニューロンは、C1後の遅延期間でC1の時間長に依存した発火頻度を示し、C2後の遅延期間ではそれに加えて、C2がC1に対して長いかどうかにも依存した発火頻度を示した。線条体は遅延期間で時間長を符号化している事が分かった(Chiba et al., 2008)。前頭前野ニューロンの応答パターンをC1期間について調べたところ、C1の開始から一定時間後にバースト的な発火を示すバーストタイプ、C1期間中ずっと高頻度発火を保つ持続タイプ、それから、C1呈示開始から徐々に発火頻度が高くなる斬増タイプの3つに分類された。中でも、バーストタイプのニューロンが過半数を占め、刺激呈示からの遅延が800ミリ秒のニューロンが最も多かった。これらのバーストタイプニューロンは時間の長短を区別する基準を表現し、それと計測中の刺激呈示期間の長さを比較していたことが示唆される。電気生理実験から、前頭前野は時間長のフィルタリング機能を担うという新しい時間知覚モデルを提案した(Oshio et al., 2008)。
|
Research Products
(4 results)