2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500263
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
奥野 浩行 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 助教 (80272417)
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Keywords | 活動依存的遺伝子発現 / シナプス可塑性 / 後シナプス肥厚部 / 前初期遺伝子 / 記憶 / 海馬 |
Research Abstract |
神経特異的前初期遺伝子産物Arcは、その神経活動依存的な発現様式によりこれまでも関心を集めていたが、近年、シナプス可塑性および大脳認知機能に密接に関与していることが明らかになり、現在、特に注目されている可塑性関連分子の一つである。しかしながら、Arc遺伝子の発現制御機構や遺伝子産物の動態・機能制御機構に関しては未だほとんど不明のままである。本研究はシナプスにおけるArcの機能を分子生物学的・細胞生物学的・生理学的に解析することを目的とする。本年度は以下の知見が得られた。 1.Arcはシナプス刺激により速やかに発現誘導された後、樹状突起スパインに挿入されることが明らかになっている。このシナプス活動依存的なArcのスパイン局在化機構を解析し、Arcのスパイン局在はArc-PSDタンパクの相互作用によって制御されていることを明らかした。 2.Arcのスパイン局在によるAMPA型グルタミン酸受容体の動態制御の可能性を示した。 3.Arcの細胞内局在の動態を生細胞で調べるため、GFPでラベルしたArcのライブイメージングを行い、シナプス活動依存的なArcの動態変化のモニタリングに成功した。 4.Arc遺伝子のプロモーター領域を解析し、神経細胞特異性および神経活動依存的な遺伝子発現を担う領域の同定に成功した。このプロモーターを利用し蛍光タンパクや発光タンパクをレポーターに持つ活動依存的遺伝子発現プローブを作成し、単一神経細胞での遺伝子発現を定量的に解析するシステムを構築した。
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Research Products
(7 results)