2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸化SOD1特異抗体を用いたALS発症機構の解明
Project/Area Number |
19500313
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
藤原 範子 Hyogo College of Medicine, 医学部, 講師 (10368532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
大河原 知水 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50330452)
横江 俊一 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (40454756)
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Keywords | スーパーオキシドジスムターゼ / Cu / Zn-SOD / 抗体 / 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / 酸化 / MALDI-TOF-MS / チャージアイソマー |
Research Abstract |
Cu/Zn-スーパーオキシドジスムターゼ(Cu/Zn-SOD、以下SOD1)は生体にとって有害なスーパーオキシドを酸素と過酸化水素に変換する酵素で、酸化ストレスから生体を守る役割を果たしている。本酵素の変異体が家族性筋萎縮性側索硬化症(FALS)の原因になることが明らかになっているが、その発症機構はまだ解明されていない。その生成物である過酸化水素でSOD1自身が酸化されて凝集化が起こること、野性型SOD1でも酸化されると変異SOD1と同じような毒性を持つようになることが示唆され始めてきた。Cys111はタンパク質分子の外側にあるGreek key loop内に存在し、特に反応性が高いと予想される。Cys111が他のアミノ酸残基よりも速く酸化されること、SH基がスルフィン酸(SO_2H)さらにはスルフォン酸(SO_3H)になることをMALDI-TOF-MSおよびLC-ESI-MSMSで同定した。Cysll1が酸化されたSOD1サブユニットのバンドはSDS-PAGEで少し上にシフトすること、Cys111に2-MEが結合した2-ME-SOD1ではCys111の酸化が起こらず2次元電気泳動で見られる数多くのチャージアイソマー生成が抑えられることを明らかにした。さらにCys111がスルフォン酸(SO_3H)になった酸化型SOD1を特異的に認識する抗体の作製に成功し、ALSモデルマウスの脊髄の封入体と空胞の縁を特異的に染色することを見いだした。これはALSの病態において酸化ストレスおよび酸化型SOD1が関与していることを示唆するものである。
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Research Products
(3 results)