2009 Fiscal Year Annual Research Report
ALS2活性化因子同定によるALS2の生理的機能と運動ニューロン変性機構の解明
Project/Area Number |
19500330
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
秦野 伸二 Tokai University, 医学部, 准教授 (60281375)
|
Keywords | 脳神経疾患 / シグナル伝逹 / 生体膜輸送 / 蛋白質 / 神経科学 |
Research Abstract |
本研究は、家族性筋萎縮性側索硬化症2型の原因遺伝子遺伝子産物"ALS2"に焦点を当て、ALS2の機能的調節因子を同定するとともに、ALS2が制御する細胞での生理的機能の特定を目指すものである。平成21年度は、以下のような成果が得られた。 1.ALS2とイノシトールリン脂質との相互作用:マクロピノソームおよびエンドソーム上に存在するイノシトールリン脂質とALS2の相互作用を明らかにするため、PIP Strip Overlayアッセイを行った。その結果、ALS2がPI(3)P、PI(4)P、PI(5)P、PI(3,5)P2に結合することが明らかとなった。それに対し、マクロピノソームに局在できない疾患変異を有する変異体(ALS2^<C157Y>、ALS2^<G540E>)はPI(3)PおよびPI(4)Pに対する親和性が低いことが判明した。 2.ALS2のマクロピノソーム局在ドメインの解析:様々なALS2欠失変異体、ならびにミスセンス変異体を用いたALS2細胞内局在解析を行った結果、上記の2種類の変異ALS2分子(ALS2^<C157Y>、ALS2^<G504E>)がマクロピノソームに分布できない原因は、変異RLD自体が有する膜への親和性の変化のみではなく、ALS2分子全体の構造変化に起因することが示唆された。 3.ALS2と協調的に機能する分子の同定:神経細胞においてALS2と協調的に機能する因子を同定するため、神経培養細胞におけるRab5GEF/VPS9ファミリーに属する遺伝子の発現ならびに遺伝子ノックダウンの影響を解析した。その結果、RABGEF1とRIN1がALS2と協調的に神経突起伸長に関わることが示唆された。
|
Research Products
(10 results)