2007 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸プロテオグリカンを介したニューロン-グリア間相互作用の分子機構
Project/Area Number |
19500336
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
前田 信明 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (90202308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 万幾 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (50415535)
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / 大脳皮質 / 細胞移動 / 硫酸転移酵素 |
Research Abstract |
コンドロイチン硫酸(CS)は、極めて大きな構造多様性を示す糖鎖であり、成長因子、ケモカイン、細胞外基質分子等、様々な蛋白質と糖鎖構造依存的に結合して、その機能調節に与っていると考えられている。最近、CS特異構造の中でも、特に、多硫酸化構造と呼ばれるD構造(GlcA(2S)β1-3Ga1NAc(6S))およびE構造(GlcAβ1-3Ga1NAc(4,6-diS)の機能的重要性が注目されている。多硫酸化構造は、CS鎖内に陰性荷電密度の高い領域を構築し、種々の蛋白質との結合に寄与すると考えられる。そこで、マウス大脳皮質の発達過程における両構造の発現を解析したところ、どちらも神経細胞の産生とその細胞移動の時期に比較的多く存在することが明らかになった。 次に、これらの構造の機能を明らかにするため以下の実験を行なった。すなわち、D構造およびE構造の生成に寄与する硫酸転移酵素、USTおよび4,6-STに着目し、その過剰発現あるいはノックダウンによって、CS鎖内のDないしE構造含量を増減させるシステムを構築した。マウス子宮内胎仔電気穿孔法によって、これらの酵素遺伝子をノックダウンすると、大脳皮質神経細胞の細胞移動が阻害され、脳室下帯に神経細胞が滞留することが明らかになった。その阻害効果は、4,6-STのノックダウンの方が強力であり、大脳皮質における神経細胞移動において、D構造と比較してE構造がより重要な役割を果たしていることが示唆された。
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