Research Abstract |
サッケード発現に際して,固視時に持続発火しているOPNがサッケ 上丘およびPPRFレベルに存在している可能性を検証するため,ネコを用いて急性実験を行い,上丘からOPNへの入力様式について解析を進めている。 1)OPN領域に逆行性標識物質であるwheat germ agglutinin-conjugated HRP(WGA-HRP)の微量注入を行い,OPNに直接的な抑制を及ぼし得る部位検索した。 2)1)で同定された領域に,順行性標識物質である,dextran-biotinの微量注入を行い,その部位からOPN領域への投射を調べた。 (1)ネコ上丘の中で,OPN領域に強く投射するfixation zoneと考えられる領域に微量注入を行い,単一細胞の軸索を連続切片で追い,神経終末がOPNに限局して分布することを明らかにした。 (2)dextran-biotinを1)で明らかになった脳幹内の領域に注入し,OPNへの投射を調べた。 3)OPNの伝達物質はGABAでなく,Glycineが推定されているので,免疫組織染色でこれを確認した。さらに2)の実験と組み合わせ,上丘fixation zoneの興奮性出力細胞の神経終末,脳幹IBN領域などからの抑制性細胞の神経終末が,OPN領域のGlycine陽性細胞に終止することを明らかにした。 4)これまでの我々の研究(Sugiuchi et al. JNP 2005)で,上丘頭側部からIBNへは2シナプス性の抑制性入力の存在が明らかになったが,その中継ニューロンの同定までには至らなかった。本研究で,IBNから細胞内記録し,両側上丘頭側部とOPN領域の電気刺激を組み合わせて反応の空間的促通を示し,この中継ニューロンがOPNであることを証明した。
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