2007 Fiscal Year Annual Research Report
サル前部下側頭皮質における「顔」の記憶表現とそのダイナミクス
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19500348
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
永福 智志 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (70262508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 了以 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (60227296)
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Keywords | ニューロン活動 / 霊長類 / 下側頭皮質 / 顔認知 / 長期記憶 / 短期記憶 / 検索 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究では,サル前部下側頭皮「顔」応答ニューロンにより,vieW-invariantな「顔」のアイデンティティの記憶がどのように表現されるのか,また,view-invariantな「顔」のアイデンティティの記憶はどのように検索されるのかを明らかにする目的で,「顔」のアイデンティティに基づく非対称的対連合課題(I-APA課題)遂行中のサル前部下側頭皮質TEav野のニューロン活動を記録・解析した.1. I-APA課題:サルはあらかじめ4つの連合対を学習する.各連合対は一種類の「図形」と一人の人物の5方向の「顔」からなる.各試行では,サルが固視点に固視した後,手掛かり刺激(cue:「図形」または「顔」)が呈示され一定または任意の遅延期間の後,テスト刺激(手掛かり刺激が「顔」の場合は「図形」,手掛かり刺激が「図形」の場合は「顔」)が継時的に呈示される.サルは手掛かり刺激と連合対をなすテスト刺激を同定することが要求される.2.「顔」→「図形」試行と「図形」→「顔」試行:I-APA課題には「図形」が手掛かり刺激として呈示され.遅延期間後に各種の「顔」がテスト刺激として呈示される「図形」→「顔」試行と,逆に,「顔」が手掛かり刺激として呈示され,遅延期間後に各種の「図形」が正解または不正テスト刺激として呈示される「顔」→「図形」試行の二種類の試行がある. TEav野から268個の「顔」に応答性を有するニューロンを記録し,58個が,特定の「図形」と「顔」のアイデンティティの連合対に対して選択的な応答を示した(連合対選択的ニューロン).これらの連合対選択的ニューロンの特定の「顔」のアイデンティティに対する応答は,「顔」の向きに対する選択性を有していた.すなわち,TEav野においてview-variantな「顔」の表現がなされていることが示唆された.また、「図形」→「顔」試行において、「顔」のアイデンティティに選択的な予測的遅延活動を有するものが少数存在した(20個).したがって,「顔」の記憶の検索においてはview-invariantな情報が使用されていることが示唆された.
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[Journal Article] Neural correlates of stimulus-reward association in the rat mediodorsal thalamus.2007
Author(s)
Kawagoe, T., Tamura, R., Uwano, T., Asahi, T., Nishijo, H., Eifuku.S, & Ono.T.
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Journal Title
NeuroReport 18
Pages: 683-688
Peer Reviewed
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