2008 Fiscal Year Annual Research Report
サル前部下側頭皮質における「顔」の記憶表現とそのダイナミクス
Project/Area Number |
19500348
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
永福 智志 University of Toyama, 医学薬学研究部(医学), 准教授 (70262508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 了以 富山大学, 医学薬学研究部(医学), 教授 (60227296)
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Keywords | ニューロン活動 / 霊長類 / 下側頭皮質 / 顔認知 / 長期記憶 / 短期記憶 / 検索 / アイデンティティ |
Research Abstract |
本研究では,サル前部下側頭皮質「顔」応答ニューロンにより,view-invariantな「顔」のアイデンティティの記憶がどのように表現されるのか,また,view-invariantな「顔」のアイデンティティの記憶はどのように検索されるのかを明らかにする目的で,「顔」のアイデンティティに基づく非対称的対連合課題(I-APA課題)遂行中のサル前部下側頭皮質TEav野のニューロン活動を記録・解析した. I-APA課題:サルはあらかじめ4つの連合対を学習する.各連合対は一種類の「図形」と一人の人物の5方向の「顔」からなる.各試行では,サルが固視点に固視した後,手掛かり刺激(cue:「図形」または「顔」)が呈示され一定または任意の遅延期間の後,テスト刺激(手掛かり刺激が「顔」の場合は「図形」,手掛かり刺激が「図形」の場合は「顔」)が継時的に呈示される.サルは手掛かり刺激と連合対をなすテスト刺激を同定することが要求される.従って,I-APA課題には「図形」が手掛かり刺激として呈示され,遅延期間後に各種の「顔」がテスト刺激として呈示される「図形」→「顔」試行と,逆に,「顔」が手掛かり刺激として呈示され,遅延期間後に各種の「図形」が正解または不正テスト刺激として呈示される「顔」→「図形」試行の二種類の試行がある. TEav野の「顔」応答ニューロンを記録・解析したところ,「顔」のアイデンティティと「図形」の特定の連合対に対して選択的な応答を示すニューロンが存在した(連合対選択的ニューロン).これら連合対選択的ニューロンの,特定の「顔」のアイデンティティに対する応答は,「顔」の向きに対する選択性を有していたことから,単一ニューロンレベルではview-specificな「顔」の表現がなされていることが示唆された.その一方で,「顔」応答ニューロンをpoolingして,TEav野ニューロン集団による「顔」の表現を解析したところ,view-invariantな「顔」のアイデンティティが表現されていることが示された.また,「図形」→「顔」試行において,「顔」のアイデンティティに選択的な予測的遅延活動を有するものが少数存在し,「顔」の記憶の検索においてはview-invariantな情報が使用されている可能性が示唆された.
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[Presentation] Pop-out of gaze2008
Author(s)
Eifuku S., Nagao K., Sugimori M., Ono T., Tamura R.
Organizer
2nd WFSBP Asia-Pacific Congress and 30th Annual Meeting of JSBP
Place of Presentation
富山
Year and Date
20080911-20080913
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