2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500350
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉橋 隆 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (90225251)
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Keywords | Ca / cAMP / 嗅細胞 / ケージド化合物 / ナノチューブ / パッチクランプ / レーザー / 紫外光 |
Research Abstract |
我々の香り感覚は、鼻腔内、嗅覚粘膜に約1億本存在するナノチューブ構造の繊毛において知覚され、細胞内ではcAMPを仲介して生体信号へと変換される。近年、QOLの向上により我々、ヒトの行動・情動に嗅覚が深く関与することがわかり、にわかにその科学的寄稿に注目が集まっている。本研究では、心理学的あるいは細胞生物学的、さらにはナノテクノロジー的に嗅覚の分子寄稿を知る研究を展開する。本エンドは、ナノチューブ繊毛1本における匂いの感受性、その増幅率、あるいは、繊毛内における匂い感受の空間特性や空間加算効果について実験調査を行い、世界的に新規性のある研究成果を得た。すなわち、1本の繊毛では、長さ数10ミクロンのどこの部位でも匂い分子を感知することが出来、また匂いの濃度は少なく、応答が小さいとき、それぞれの部位の微小応答は独立な事象として取り圧くあれることにより、空間的線形和を構成している。匂いの受容部位と細胞興奮に関与するイオンチャネルはともに体外環境との言うべき繊毛に存在して情報変換を達成しているので、臨床的あるいは産業応用的に嗅覚を増幅するなどの可能性を考える場合には、体内制御を就職するよりも、体外環境からアクセスするのが効率的であることがわかった。 さらに、これらの分子的アプローチによる実験と並行して心理物理学的あるいは匂い分子の化学的特性の研究行い、それらの相互関係について検討を始めている。
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