2007 Fiscal Year Annual Research Report
重症呼吸不全患者に対する機能的電気刺激を用いた運動療法プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
19500443
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉木 彰 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (70269851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 敏夫 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (90175638)
佐藤 晋 滋賀県立成人病センター(研究所), 研究員 (40378691)
室 繁郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (60344454)
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Keywords | 機能的電気刺激 / 運動療法 / 下肢筋力 / 筋厚 |
Research Abstract |
本年度は,慢性閉塞性肺疾患患者に対する機能的電気刺激を用いた運動療法プログラムを開発する前段階として,機能的電気刺激を用いた運動療法プログラムの効果および安全性を検証することを目的とした研究を実施した。すなわち内科的疾患を有していない整形外科術後患者(膝前十字靱帯再建術後)に対して,機能的電気刺激を用いた運動療法プログラムを実施し,その効果を検証した。前十字靱帯損傷患者に対し,靱帯再建術後の早期より機能的電気刺激を実施する群(EMS群:5名)と,従来の運動療法プログラムを実施する群(CON群:5名)の膝伸展筋力,下肢伸展パワーおよび大腿直筋,中間広筋,ヒラメ筋の筋厚の変化を測定し,比較検討した。機能的電気刺激は術後2日から開始し,4週間実施した。その結果,EMS群は,CON群に比べ,前十字靱帯再建による早期の筋萎縮や筋力低下を予防できた。つまり大腿直筋,中間広筋,ヒラメ筋の筋厚については,CON群は術後早期より筋萎縮が発生したが,EMS群は筋萎縮を抑制することが可能であった。また膝伸展筋力や下肢伸展パワーについては,CON群はその低下が大きかったのに対し,EMS群はその低下が少なかった。更に機能的電気刺激による副作用等は認められず,安全性が確認出来た。以上のことから,機能的電気刺激を用いた運動療法プログラムは安全であり,活動性の高くない患者に対しても十分応用可能であると考えられた。
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