2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500459
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
金子 真人 Teikyo Heisei University, 健康メディカル学部, 准教授 (40448923)
|
Keywords | RAN / 読み書き能力 / スクリーニング / ディスレクシア / 発達性読み書き障害 |
Research Abstract |
平成19年度研究目的:日本語話者におけるRAN検査の機序を明らかにする-RAN検査と発語運動機能との関連および単独刺激提示における音読潜時から- 1)RAN検査は、できるだけ早く連続してnamingすることを求める課題であるが、連続的な運動という点で連続的な発語運動を伴う。RANの連続的な運動要素を発語発声器官の/pataka/にみる反復交互運動を比較指標としてRAN検査成績との間に相関関係を検討した。RAN検査と反復交互運動との間に関係が認められるのであれば、RAN検査の機序に運動機能面での因子を考慮する必要があると考えられる。 方法:/pataka/による反復交互運動の課題を5回行い、5回反復するのに要した時間をストップウォッチにて測定した。また、RAN課題を3回行い平均所要時間を算出した。 被験者:就学前6歳児、就学後7歳児、就学後8歳児および就学後10歳児 結果および考察:反復交互運動とRAN検査の所要時間は、年齢間で有意な差を認めたものの同一年齢内では、反復交互運動とRAN検査成績との間に有意な関係は認められなかった。RAN検査の適用メカニズムとして、反復交互運動にみられる発語運動機能面の協調運動による影響はほとんど考慮する必要がないことがわかった。 2)RAN検査課題で用いられる刺激種の特性を検討するために、絵、数、色の刺激属性を単独提示した条件下での音読潜時を健常児とディスレクシア児で比較検討した。RAN検査では健常児とディスレクシア児は有意な差が認められているが、RAN刺激の単独提示条件下での音読潜時を検討することでRAN検査の機序を知る手がかりを得ることが出来ると考えた。その結果、各刺激種の単独提示条件では有意な差を認めないことから、RAN検査の機序として連続的交互刺激呈示による自動性の影響などが遅延を生む機序として働いている可能性が考えられた。
|