2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500459
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
金子 真人 Teikyo Heisei University, 健康メディカル学部, 准教授 (40448923)
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Keywords | RAN / 読み書き能力 / スクリーニング |
Research Abstract |
平成21年度研究目的:日本語話者におけるRAN検査の適用の機序を明らかにするために、発達性ディスレクシア児を対象としたRAN刺激単独呈示による反応潜時算出と発語運動機能である/pataka/反復交互運動を測定しRAN検査適応の機序を検討した。 1) 発達性ディスレクシア児に対してRAN検査課題で用いられる刺激種の特性を検討するために、(1) 刺激課題は3歳児で呼称が可能である絵10種類(犬、猫、足、船、鉛筆、椅子、帽子、バナナ、時計、はさみ)をランダムに3回計30試行、数字(1から9)3回計27試行、および平仮名清音(46音の中から誤りやすい仮名文字5文字)をそれぞれランダムに単独で提示した場合(単独提示条件)での音読潜時を計測した。同時に、/pataka/による交互反復運動として交互反復を5回行うのに要する時間を計測し、z得点を算出した。その結果、RAN所要時間が有意に延長している発達性ディスレクシア児は、RAN刺激のうち「絵」に関する反応潜時が有意に延長した。また、/pataka/交互運動の所要時間とRAN成績には有意な関係は認めなかった。 2) /pataka/z得点、RAN所要時間z得点、絵呼称潜時、数字呼称潜時、RT比(RAN課題各単独刺激の音読潜時合計/RAN所要時間)の各因子によるRAN所要時間z得点を従属変数とした重回帰分析を行った。その結果、RAN所要時間にかかわる変数としてRT比(.83)と絵呼称潜時(.56)が抽出されRAN所要時間に強い影響力を持つことが示された。 RT比はRAN成績を基準とした場合の自動性の強さを表す指標と仮定でき、連続する目標刺激の音韻計算にかかわる自動性の強さを反映していると考えられた。また、数字や文字に比べて絵呼称は音韻計算に要する時間が大きくなることからRANは連続的な音韻計算(音韻処理過程)を強いることで自動性の強さを反映する課題であることが示唆された。RANは自動性に裏打ちされた音韻障害を鋭敏に予測すると考えられた。
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Research Products
(20 results)