2007 Fiscal Year Annual Research Report
頸髄損傷者の活性能力と健康維持能力のトレーナビリティに関する研究
Project/Area Number |
19500551
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
矢部 京之助 Osaka University of Health and Sport Sciences, 体育学部, 教授 (50090410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴池 政明 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (40298831)
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Keywords | 頸髄損傷者 / 活動性能力 / 健康維持能力 / 車椅子ツインバスケットボール / トレーナビリティ / 障害者スポーツ / 自律神経機能 |
Research Abstract |
本研究の目的は、頸髄損傷者の車いす移動能力を活動性能力とし、活動の背景にある自律神経機能を健康維持能力として、それらのトレーナビリティ(トレーニングの可能性)を探ることである。具体的には、定期的に車椅子ツインバスケットボールを行っている頸髄損傷スポーツ選手を対象とし、試合中の移動距離・平均速度および最高速度を計測する。また、自律神経機能を評価し、運動習慣のない頸髄損傷者と比較することから頸髄損傷者のトレーナビリティを検証することである。 そこで本年度は、まず、頸髄損傷スポーツ選手の車いす移動能力を明らかにするために、第20回記念日本車椅子ツインバスケットボール選手権大会で優勝した車椅子ツインバスケットボールチームの選手を対象として、試合中(決勝戦)の移動距離・平均速度および最高速度を計測した。その結果、1試合に交代なしで出場した選手(3名)の試今中の移動距離は、約3.0〜4.5Km、平均速度は、約1.0〜1.6m/s、最高速度は、5〜7m/sであることが明らかとなった。また、試合中の移動特性には、選手の障害の種類や程度が関係していることが示唆された。この結果は、頸髄損傷者のトレーナビリティの上限であると考えられるとともに、これまでに十分に明らかではない車椅子ツインバスケットボールの運動強度を示していると推察される。 次に、心拍変動スペクトル分析から評価した自律神経活動(交感神経活動・副交感神経活動)を健康維持能力の指標として検討した。本年度はまず、脊髄損傷者(胸椎・腰椎レベルでの損傷者)を対象とした。その結果、副交感神経活動は受傷期間に伴って低下する傾向が示された。 加えて、高位損傷者群(胸椎6番以上)においては交感神経活動の緊張状態が見られた。したがって、受傷期間および損傷レベルによって自律神経機能のアンバランスが生じていることが示唆された。
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Research Products
(11 results)