2007 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康・体力を維持・増進するための運動量、運動強度及び血流量に関する研究
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19500563
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 昭彦 Kyoto University, 大学院・人問・環境学研究科, 教授 (90184548)
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Keywords | 高齢者 / 筋力 / 血流量 / 酸化ストレス度 / 抗酸化物質 / 酸素飽和度 |
Research Abstract |
本研究では、高齢者の健康や体力を維持・増進させるための運動量と運動強度を血流量との関係から明らかにすることを目的とした。そのために、60歳以上の男性と女性を用いて、最大筋力、酸素飽和度、血流量、酸化ストレス度、抗酸化物質などの広範な測定から高齢者の健康や体力を把握した。60歳代(男性14名、女性15名)、70歳代(男性10名、女性12名)、80歳代(男性5名、女性8名)の被験者に実験に参加してもらった。すべての被験者には実験内容を十分に説明して、実験に参加して頂くことの承諾を得た。各被験者について、最大努力での大腿屈曲及び伸展筋力、血液中酸素飽和度、大腿部の血流量、酸化ストレス度、抗酸化物質を測定した。大腿屈曲及び伸展筋力は、研究室で独自に開発した運動装置を使用して測定した。血液中の酸素飽和度は、酸素飽和度測定装置(コニカミノルタ株式会社:PULSOX-300i)を用いて測定した。大腿部の血流量は、非接触型レーザー血流計(株式会社ニューロサイエンス:FLO-N1)を使用して測定した。酸化ストレス度と抗酸化物質は、FRAS4(株式会社ウイスマー)を使用して測定した。加齢に伴い最大努力での大腿屈曲及び伸展筋力の低下が認められた。さらに、これらの筋力の低下と大腿部における血流量の低下には高い相関が認められた。一方、酸化ストレス度、抗酸化物質については、年齢や性別との関係は認められなかった。これらの結果より、加齢に伴う筋力の低下には、血流量の減少が関係していることが明らかになった。
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