2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康・体力を維持・増進するための運動量、運動強度及び血流量に関する研究
Project/Area Number |
19500563
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石原 昭彦 Kyoto University, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90184548)
|
Keywords | 高齢者 / 筋力 / 血流量 / 酸素飽和度 / 酸化ストレス度 / 抗酸化力 |
Research Abstract |
本研究には、60歳代(男性10名、女性15名)、70歳代(男性10名、女性13名)、80歳代(男性5名、女性7名)の被験者を用いた。すべての被験者に研究の内容を説明して、研究に参加して頂くことの同意を得た。被験者には、1ヵ月間にわたり運動を継続してもらった。10秒間の最大努力による随意収縮と10秒間の休息を「膝の屈曲動作」で20回繰り返し、3分間の休息を挟んで、さらに10秒間の最大努力による随意収縮と10秒間の休息を「膝の伸展動作」で20回繰り返した。これを1セットとして、セット間に5分間の休息を挟んで計3セット行った。この運動を月曜日から金曜日まで「毎朝」と「毎夕」に行った。各被験者の運動前後における最大努力での大腿屈曲及び伸展筋力、血液中の酸素飽和度、血流量を測定した。また、血漿中の酸化ストレス度と抗酸化力を分析した。60歳代と70歳代では、運動前と比較して運動後に最大努力での大腿屈曲及び伸展筋力に増大が認められた。同様に大腿部の安静時血流量に増大が認められた。60歳代では、運動によって酸化ストレス度の減少が認められた。これらの結果から、年齢が若いほど最大努力による筋力トレーニングの効果が著明に認められること、筋力の増大には血流量の増大が関係していること、筋力トレーニングによって活性酸素の産生が抑制される(酸化ストレス度が低くなる)ことが明らかになった。なお、酸素飽和度と抗酸化力については、年齢、性別、運動の有無による違いは認められなった。今後は、運動期間の長短によりどのような効果の違いが認められるのかを検討したい。
|