2009 Fiscal Year Annual Research Report
学校を中心とした肥満児の身体活動増加を促す介入プログラムの研究
Project/Area Number |
19500595
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
井上 文夫 Kyoto University of Education, 教育学部, 教授 (40168464)
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Keywords | 肥満児 / 学校 / 運動 / 介入 |
Research Abstract |
生活習慣への介入としての健康教育の実践とその効果を明らかにするため、O市の小学校1校(424名)、中学校2校(1308名)、高等学校1校(935名)を対象として、健康教育、運動指導、食育指導の3方法により介入を行い、肥満関連指標、動脈硬化指標として脈波速度の測定、血液検査、生活習慣アンケートを行った。健康教育の内容としては、測定結果の返還とその説明、動脈硬化と糖尿病の解説、生活改善の方法、ビデオレターなどであり、運動指導の内容としては運動クラブへの積極的参加や徒歩通学の奨励、毎日の歩数の記録、スポーツテストの実施であり、食育の内容としては朝食摂取の重視、摂食リズムの固定化、給食残量の記録などである。これらを実施後、身体計測値、血液検査やPWVがどのように変化するかを検討したところ、身体計測値では、肥満、痩せの減少が認められ、生活習慣が改善した群ではPWVについても改善を示した。スポーツテストでも運動能力の低い児が減少し、高い児が増加していた。睡眠習慣では就寝時間が平均25分早くなり、睡眠時間も55分増加した。生活習慣改善群では学業成績も向上していた。自覚症状では、食欲不振、貧血、起立性障害の割合が減少した。以上の結果から学校での生活習慣の介入プログラムは肥満改善のみならず、健康全般に良い影響を与えることが示された。今回の検討は、限られた地域での限られたプログラムであり、今後、より綿密な計画のものに効果的な介入プログラムを作成し、改善を重ねながら拡大していきたい。
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Research Products
(5 results)