2007 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームと地球温暖化の連関を基軸とした省CO2モデル保健事業
Project/Area Number |
19500607
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
金内 雅夫 Nara Medical University, 医学部, 准教授 (40191986)
|
Keywords | メタボリックシンドローム / 地球温暖化 / 保健事業 / 生活習慣病 / 肥満 / 二酸化炭素排出量 |
Research Abstract |
地球温暖化現象が深刻な環境問題として取り上げられているところであるが、二酸化炭素排泄量の少ない地域社会構造への転換を図るべく、国民一人ひとりの意識に強く働きかけて自主的なCO2削減策行動に結び付けていくことが肝要である.一方、メタボリックシンドロームは2型糖尿病に移行しやすい予備軍であることと心血管病を高率に合併することで生活習慣病の根幹をなす重要な病態と考えられているが、従来から試みられている生活習慣への予防介入対策は主として食事療法や運動療法による減量効果といった方法論をとるものが多いものの、エネルギー代謝によって影響される人体からのCO2排泄について論及したものは極めて少ない.そこで<、減量を中心とした肥満対策および予防的アプローチが、地球温暖化という喫緊の課題を含んだ綜合的な環境対策にも寄与できるのでないかと考え、その実行可能性を探索するための予備調査を行った.県下の1000人規模の企業事業所をモデル事業に選定し、職域検診の活用と職場健康管理室の協力のもとに生活習慣に介入する新しい省CO2型モデル保健事業を展開した.健診受診者の中からBMI25以上の男性320例、平均年齢42.6歳(20〜64歳)、平均BMI27.6(25.0〜41.4)を抽出した。メタボリックシンドロームの合併率は43.1%であった.体重,安静時換気量,呼吸回数、活動度から1日CO2排泄量を予測し、6%の体重減少による年間CO2排泄量の削減効果をシュミレーションした.6%の体重減少が達成された場合の、肥満者一人当たりの年間CO2排泄削減量は平均21.3kgと予測された.この値は身近な温暖化対策としての暖房温度を1度低く設定(エアコンで年間169日稼動として試算)した時の節減量に相当することが判った.
|
Research Products
(1 results)