2007 Fiscal Year Annual Research Report
災害時救済衣料の開発と基準パッケージの策定に関する研究
Project/Area Number |
19500638
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
小柴 朋子 Bunka Women's University, 服装学部, 准教授 (70310399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 照子 文化女子大学, 服装学部, 教授 (30060817)
丸田 直美 文化ファッション大学院大学, ファッションビジネス科, 准教授 (70183621)
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Keywords | 救援用衣料 / 災害 / クロー値 / 汎用型衣料 / 備蓄用基準パッケージ / 避難所 / サーマルマネキン / 幼児用衣服 |
Research Abstract |
平成19年度は,第一に災害時における必要衣類の検討,第二にサーマルマネキンによる標準的各種市販衣服のクロー値測定を予定した。まず災害時に予測される具体的生活の検討の準備にとりかかった段階で,図らずも7月に中越沖地震が発生し,避難所における生活実態を直ちに調査する機会を得た。仮設住宅における直後の聞き取り調査は避難住民の心情を慮ると困難で,したがって平成20年3月に能登大地震発生1年後の実態調査および聞き取り調査を実施した。救援に当った民間ボランティアおよび自治体関係者との間で,災害時衣料品の問題点と被災時における最小限必要衣類の検討を行うことができた。現場に出向いて直接的に調査する機会を得たことは,予期せぬことではあったが,衣服に関する調査は能登地震,中越沖地震の両方に関しては殆ど行われていない現状であり,本研究は重要な役目を担うものといえる。サーマルマネキンを用いた着衣のクロー値の測定については,本年度は,幼児服および成人男子服を中心に各種単品衣服・組み合わせ着衣の測定を行った。具体的には, 1.1〜3歳の幼児を持つ家庭に対して,各季節の着衣内容についてアンケート調査を行い,標準的な組み合わせ衣服例を抽出した。幼児用サーマルマネキンを用いて,標準的市販衣服を対象に,単品衣服および組み合わせ服のクロー値を測定した。その結果,災害が冬期に発生した場合,標準的組み合わせ服の保温力不足が指摘された。 2.成人男子用可動型発汗サーマルマネキンを用いて,下着,Yシャツ,セーター,トレーナー,オーバーコート,スラックス,靴下等の単品衣服のクロー値測定を行った。 3.災害時に頻繁に使用されるその他衣料のクロー値測定,汎用型衣料の適応範囲,性別年齢別体型別最小分類数,救援衣料の必要晶目の検討等については,平成20年度に継続して遂行する予定である。
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