2009 Fiscal Year Annual Research Report
災害時救援衣料の開発と基準パッケージの策定に関する研究
Project/Area Number |
19500638
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Research Institution | Bunka Women's University |
Principal Investigator |
小柴 朋子 Bunka Women's University, 服装学部, 教授 (70310399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 照子 文化女子大学, 服装学部, 教授 (30060817)
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Keywords | 救援用衣料 / 災害 / クロー値 / 汎用型衣料 / 備蓄用基準パッケージ |
Research Abstract |
本研究の目的は、大規模地震や台風、竜巻等自然災害時に公に設置される避難所や仮設住宅において、備蓄として適する各地域・季節別の救援用衣服を提案することである。具体的には、日本における標準的な衣服の保温力のデータベース化を試みる。平成21年度は、1.標準的な衣服の保温力のデータベース化に向けて、成人用男子服を中心に可動型発汗サーマルマネキンを用いて各種市販単品衣服のクロー値を測定した。下着、シャツ、ズボン、スーツ、帽子等、ほぼあらゆる種類の代表的な服種130品目について乾性熱抵抗を測定し終えた。結果、ISO9920の単品衣服のクロー値とほぼ同様な結果が得られた。さらに半纏や作業服寝衣等を加えて保温力測定を行い、データベース化した。2.過去に起こった地震被害時と日本各地の四季の気象条件から、それぞれに必要とされる着衣量について、救援衣料の必要品目の検討を行い、1.で作成したデータベースを用いて適切な組み合わせ服の提案を行った。3.災害時に用いられる衣服としての使い勝手を考慮して動作分析を行い、ポケットの位置と大きさについて検討した。4.ビニール袋を用いた空気パックを防寒用の保温力として応用することを考え、ケープ型の各種防寒衣を考案し、保温力および着用実験による衣服内温度測定と着用感評価を行った。5.災害用汎用型衣料を構想して、4.の実験結果を基にした汎用型衣料デザイン画の募集を行い、デザイン画を元に実物製作を行い、その保温力を測定した。本研究を通じて、現在流通している日本の代表的な衣服を対象にした保温力データベースの作成、および日本における被災地を想定した備蓄用衣服の具体的な提案を行うことができた。しかし、衣服の潜熱特性の測定、年齢別の救援用衣服および基準パッケージの具体的な提案については、今後の検討課題として残された。研究成果は一部発表済みであるが、今後データベースの公開を予定している。
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