2008 Fiscal Year Annual Research Report
特に支援が必要な家庭も含めた地域子育て支援における拠点整備と地域資源の活用
Project/Area Number |
19500642
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
大谷 由紀子 Bukkyo University, 社会福祉学部, 非常勤講師 (00411116)
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Keywords | 子育て支援 / 地域 / コミュニティ / カナダ / 地域子育て支援拠点事業 / 運営 / 乳幼児 |
Research Abstract |
今年度は、子育て支援における地域資源活用に着目した研究を行った。 1. 民間の地域子育て支援拠点「ひろば型」の運営問題に関する研究(昨年度より継続) 昨年度実施した全国の子育てひろば調査から、民間が運営委託する子育てひろばを取り上げ、運営体制と課題を詳細に分析した。運営団体は学校法人、社会福祉法人からボランティアグループまで、常設施設は子育て支援センターから民家、空き店舗まで多様であるが、運営団体が組織的団体か(社会福祉協議会など)、或いはコミュニティベースの団体かによって(NPOなど)子育てひろばが抱える問題は異なり、団体の特徴が反映される結果となった。本研究では特に子育てひろばの立ち上げ期〜初期段階の問題を分析し、団体のタイプ別に課題を提示した。また、研究成果はこども未来財団主催のひろば立ち上げセミナーにて報告し、実践の場に活かす方策を示した。 2. カナダ・オンタリオ州「ベストスタートプログラム」における民間活用調査 昨年度の調査で概要を把握したオンタリオ州ベストスタートプログラムについて、今年度はモデル地区であるハミルトン市に入り、民間団体によるプログラムの実践を調査した。具体的には、コミュニティ団体が運営するセンターにおいて、いかにベストスタートプログラムを実践しているか-州のモデルとなった経緯、運営体制、空間的特徴、ネットワークなどを聞き取った。また、トロント市のコミュニティ団体に対し、センターの運営、地域のニーズを汲み取ったプログラムの開発、実施方法について聞き取り調査を行った。以上の調査から、(1)コミュニティベースの団体がいかに子育て支援事業を発展させ、地域のリソースをネットワークしてきたのか、(2)ベストスタートプログラムの効果、課題、今後の方向性の2点を把握し、日本の地域育て支援のあり方に示唆を得た。
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