2007 Fiscal Year Annual Research Report
家族の生活時間の多次元解析用システムの開発-20年前の調査資料との比較を例に-
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19500657
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
谷村 雅子 National Research Institute for Child Health and Development, 成育社会医学研究部, 部長 (90014191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 加奈子 国立成育医療センター(研究所), 成育社会医学研究部, 流動研究員 (00399487)
小板谷 典子 国立成育医療センター(研究所), 成育社会医学研究部, 共同研究員 (10341827)
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Keywords | 乳幼児 / ライフアスタイル / 生活時間記録 / 対人経験 / テレビ / 帰宅時間 / 核家族 / データベース |
Research Abstract |
家族の生活時間記録の調査資料から家族間の生活行動の関係及び環境要因解析などの多次元解析が可能なデータベースを開発し、小児の心身の健康への影響が指摘されている最近の生活習慣の乱れへの対策に資することを日的として、本年は、1987年に調査した農村地区246家庭の1歳6ケ月児と母親の平日一日の生活時間記録(日記式、15分単位)の個人別時系列データおよび父親の主な生活時間と家庭の養育環境に関する家庭別データを、市販のデータ分析用ソフトSPSSで入力し、両データファイルを統合してデータベースを作成した。下記の結果を得ることができ、データベースの有用性が示された。1)三世代家庭(三世代または児の就寝前に父在宅)に較べ、母子のみ家庭(核家族で且つ児の就寝前に父不在)では、児が一人で過ごした時間が1.6倍と長く、且つ母以外の他者との関わりが少なかった。両型とも児の身の回りの世話は母が行い、母の外出時も児を伴っていたが、室内の家事中は母子のみ家庭では一人か母と過ごし、三世代家庭では母やその他の家族、それらの知人など様々な人と遊んでいた。核家族化、保護者の帰宅時間の遅延化が進行しており、乳幼児の対人経験の減少の影響が懸念される。2)母子のみ家庭では食事準備や掃除・洗濯など子どもの様子をときどき見守りながら行える家事を睡眠中や幼児番組中に行ない、その他の時間に外遊びや戸外の用事に連れ出し、内職や休息は睡眠中に行う家庭が多かった。現在はビデオがないと家事ができないとして子どもに長時間ビデオを見せる家庭があるが、ビデオ普及前には、母親が常に子どもを見守ることができるように配慮して家事を計画的に行っていた様子が窺われる。家事の手順を工夫し、必要な時のみTVを短時間利用して家事を効率的に済ませ、子どもと関わる時間を作ることは不可能ではないと思われる。次年度は同一地域で同様の調査を行い、20年前と比較したい。
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Research Products
(5 results)