2009 Fiscal Year Annual Research Report
抗アレルギー作用を有する大豆イソフラボンの免疫疾患病態制御に関する基盤的研究
Project/Area Number |
19500685
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
酒井 徹 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40274196)
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Keywords | 大豆 / イソフラボン / 大腸炎 / エクオール / サイトカイン |
Research Abstract |
現在、アレルギーは国民病とされ、実に日本人の3人に1人は何らかのアレルギー症状を訴えているとされる。そのアレルギー発症の原因の一つとして細胞性免疫応答を担う1型ヘルパーT細胞(Th1)応答と体液性免疫応答を担う2型ヘルパーT細胞(Th2)応答のバランスが崩れ、Th2応答が有意になると抗原特異的IgE反応が過剰となりアレルギーの発症につながることが示唆されている。 大豆製品は日本の食生活上欠かせない食品であり、その大豆製品中に存在するイソフラボンの免疫機能に対する影響を明らかにすることは興味深いことと考えられる。本申請研究では、これまで我々が明らかにしてきた大豆イソフラボンの免疫調節作用が、様々な免疫疾患の病態制御にいかに関わるか免疫疾患モデル動物を用い解析をすると共にその作用機序を明らかにし、ヒトにおける臨床応用の基盤的データーを提供することを目的とする。大豆イソフラボンの中でも,daidzeinの代謝産物であるequolについての研究報告が少ない。本研究では,DSS誘発潰瘍性大腸炎モデルを用いて大豆イソフラボン特にequolの影響についての検討を行った。DSS溶液をマウスに自由飲水させることで大腸炎を誘発し,各種イソフラボンを経口投与することでその影響を観察したところ,equol投与群において顕著な体重減少が見られ,大腸粘膜組織の損傷が著しかった。投与するequolの量について検討したところ,20mg/kg投与群は2及び10mg/kg投与群を比べ著しい体重減少が認められた。サイトカイン産生量に関しては,20mg/kg/dayのequol投与群では,投与後6日目においてT細胞から産生される抗炎症性サイトカインであるIL-10産生が有意な低下を示した。
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Research Products
(4 results)