2007 Fiscal Year Annual Research Report
食教育と食物アレルギー児の食事指導ための科学的根拠に基づく食事指導指針
Project/Area Number |
19500697
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
伊藤 節子 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 生活科学部, 教授 (50144358)
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Keywords | 食物アレルギー / 卵白アルブミン / オボムコイド / β-ラクトゴロブリン / カゼイン / グリアジン / 低アレルゲン化 / 給食 |
Research Abstract |
乳幼児における食物アレルギーの原因として即示時型反応においてもアトピー性皮膚炎においても上位3品目である,卵,牛乳,小麦について,給食で使用する調味料や加工食品中の抗原量の定量を行った。その結果,食事指導に利用可能性なデータが得られた。 さらに乳幼児の好むおやつと料理中の抗原量の測定を行い,得られたデータを基に,抗原別に低アレゲン化のために必要な調理上の要因を明らかにした。抗原性の評価は sandwich ELISH 法により測定した抗原量により行ったが,基礎検討の結果から臨床的な抗原性の強さを最もよく反映する測定系を選んで測定した。 卵の主要抗原である卵白アルブミン(以下0A)は100℃の加熱により,オボムコイド(以下OM)は小麦と混捏後に加熱することにより不溶化するため低アレゲン化することが明らかとなった。加熱のみの影響を検討してみるとOMの方が低アレゲン化しやすく,これまでいわれていたデータとは異なる結果であった。牛乳についても主要抗原であるβ-ラクトグロブリンとカゼインについて加熱による影響を検討してみると,抗原性が強いとされている前者は加熱により容易に低アレゲン化したが,後者は加熱による影響をほとんど受けず,低アレゲン化には加水分解が必要であることが示唆された。小麦について蒸し器にて30分以上蒸すか圧力鍋を用いることにより100℃以上の高温で長時間調理すると主要抗原であるグリアジン量を100μg/g以下にまで減少させることが可能性であった。
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Research Products
(5 results)