2009 Fiscal Year Annual Research Report
未利用海産藻類に含まれる抗原性糖鎖の細胞性免疫活性とその利用
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19500701
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Research Institution | Sakuyo Music College |
Principal Investigator |
木村 万里子 Sakuyo Music College, 食文化学部, 講師 (00351932)
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Keywords | 糖タンパク質糖鎖 / 抗原性糖鎖 / 海藻糖タンパク質 / 糖鎖薬剤 / 機能性食品 |
Research Abstract |
本研究は、以下の1~4を明らかにすることにより、未利用海産藻類に含まれる糖タンパク質・糖脂質に結合するオリゴ糖鎖の機能性食品あるいは医療素材としての開発の基盤を確立することを目的としている。1、海産藻類に発現される糖タンパク質・糖脂質糖鎖の構造特性2、海藻オリゴ糖鎖が有する抗原性3、海藻糖タンパク質に結合する抗原性糖鎖のヒト細胞性免疫に及ぼす生理機能(T-細胞の分化・生育、サイトカイン分泌促進)4、抗原性糖鎖の細胞性免疫調節活性(サイトカイン分泌促進・抑制活性)を利用したアレルギー疾患(花粉症)治療薬(糖鎖薬剤)開発の可能性。 平成19年および20年度は、緑藻類には糖タンパク質の存在量が少なく、褐藻類(ホンダワラ)には糖タンパク質が豊富に存在すること、そしてそれらに結合する糖鎖は、ハイマンノース型構造であることを明らかにした。これらハイマンノース型糖鎖の多くは、Man α 1-2Manユニットを数個有する構造であり、マクロファージ活性化剤やエイズワクチン開発に向けたエピトープとしての利用価値の高いものであった。 そこで平成21年度は、これら海藻糖タンパク質をアクチナーゼ処理した後、均一糖鎖構造を有する糖ペプチドを精製する方法を確立し、更には糖ペプチドと人工ポリマーをカップリングさせた糖鎖ポリマー合成法を検討した。その結果、糖ペプチド精製については、Dowex 50x2樹脂、Con Aアフィニティークロマト、順相HPLCを組み合わせた方法により、海藻から構造均一糖鎖を有する糖ペプチド数十ミリグラム量での供給が可能になった。また、γ-PGAに糖ペプチドを多価数結合させた糖鎖ポリマーの調製にも成功した。
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Research Products
(2 results)