2008 Fiscal Year Annual Research Report
問題変更による作問を対象とした学習支援システムに関する研究
Project/Area Number |
19500803
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平嶋 宗 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (10238355)
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Keywords | 作問 / 学習支援 / 問題変更 / 教育情報 / eラーニング |
Research Abstract |
学習活動において主に解決の対象とされている「問題」は,それ自体が探求の対象となりえる.たとえば,「問題を変更していくことによって新しい問題を作成し,吟味する」といった活動は,「問題がなぜそのような設定として与えられているのか」,「その設定を変えたらどうなるのか」,といったその問題およびその背景となっている学習課題へのより本質的な理解へ繋がると期待できる.また,「自分が何をすでに理解できているか」,「何を理解できていないか」あるいは「理解する必要があるか」といった学習者自身の学習についての認識を促進することも期待できる.「問題変更としての作問」のこのような有効性についてはすでに広く認識されており,また,実践例も報告されている. 平成19年度においては,知識工学的手法に基づき,(1)学習者による問題変更とその変更が解法に及ぼす影響を診断し,(2)その結果に基づいて問題の吟味や変更を促すフィードバックを生成する,ことのできる学習支援システムを設計・開発した.これらに基づき,本年度では,このシステムを用いて学習活動を行なうことによる学習効果の実験的検証を試みた.具体的に取り扱う問題としては,ある特定の数量関係が存在することを前提として,与えられている属性の値から求めるべき属性の値を導く,といった数学や物理においてよく見受けられる問題を取り扱った.結果として,被験者が問題間の関係についてより意識的になることが示唆され,本研究の有望性が示された.
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