2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19500854
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
橋本 毅彦 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90237941)
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Keywords | 科学史 / 技術史 / 航空工学史 / 空気力学 |
Research Abstract |
本研究は、特に1930年代以降における境界層の研究とその航空工学との関係を探ることを目的としている。平成19年度において、夏にイギリスの公文書館・ケンブリッジ大学・帝国軍事博物館において史料調査を行った。公文書館において、当時の境界層研究のバックグラウンドを調査するために委員会議事録を調査した。ケンブリッジ大学において、友近晋が共同研究したと思われるG.I.テイラー文書を調査し、友近との研究の関連史料を探った。またケンブリッジ近郊のダックスフォードに所在する帝国軍事博物館分館において、戦争終了後日本の連合軍側諸国による調査報告を調査検討した。これらの史料調査によって、特に戦後の調査報告の種類と数は多く、中には当時の風洞の写真などを含む貴重な資料が存在することが判明した。今後、報告の番号順に系統的に調査していくことが必要である。平成19年度には、これらの研究と調査をもとに、友近晋と谷一郎の境界層研究の比較と関連性を論じる講演を科学史学会で行い、また『学術の動向』でその紹介記事を書いた。また谷一郎の研究に関しては、航空学科図書館、防衛研修所戦史資料室において調査を行い、航空学科の卒業論文の中で実質的に谷一郎の助手として風洞実験した研究論文を分析した。それらの内容をふまえた論文の作成を準備中である。また、航空研究所で研究経験をお持ちである広瀬直喜氏から、谷一郎らの空気力学研究者の歴史的な資料、情報を提供して頂き、それを研究に生かすことができた。
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Research Products
(3 results)