2008 Fiscal Year Annual Research Report
高精度磁気年代決定のための広域テフラの古地磁気研究
Project/Area Number |
19500868
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
藤井 純子 University of Fukui, 教育地域科学部, 助手 (50228946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正志 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (70093440)
山本 博文 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (50240122)
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Keywords | 古地磁気 / 年代測定 / テフラ |
Research Abstract |
本年度は,和歌山県と愛媛県で広域テフラの一つである鬼界アカホヤ火山灰を採取した。和歌山県では,火山灰の純層3点と火山灰起源以外の成分が混在しているテフラ層2地点において試料を採取した。どちらの層からの試料も,残留磁化は交流消磁に対しやや不安定であったが,交流消磁実験三成分IRMの熱消磁実験や帯磁率測定結果を併せて解析することにより,鬼界アカホヤ火山灰(テフラ)堆積時に獲得されたと判断できる一時磁化を抽出できた。和歌山県の試料から得られた平均磁化方位は,Dm=-5.0°E, Im=46.2°,α_<95>=6.2であり,昨年度までの全測定結果(Dm=1.0°E, Im=52.2°, α_<95>=2.7)と比較すると,偏角はやや西振りに,伏角はやや浅くなっている。これは地域差を示しているのかもしれない。 昨年度採取した愛媛県の試料は,未固着で脆く,残留磁化が不安定で本研究目的には不適切なものであったため,再調査・試料採取を実施。7地点において鬼界アカホヤ火山灰試料を採取し,現在,残留磁化測定を続けている。途中経過ではあるが,一時磁化を抽出できる試料であると判断している。これらの測定が終了すると,鬼界アカホヤ火山灰についての鹿児島県,宮崎県,大分県,愛媛県,和歌山県からの測定結果が揃うことになり,本研究の主目的である広域テフラ堆積時の地磁気分布についての考察が可能になる。 最終年度では,本研究で明らかにしてきた広域テフラに,地磁気分布,広域テフラを挟在する堆積相からの地磁気永年変化のデータおよび既報の地磁気永年変化のデータを総合・比較検討して,地磁気変化の全体像を明らかにする予定である。
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