2007 Fiscal Year Annual Research Report
局地循環によるヒートアイランド緩和効果に関する研究
Project/Area Number |
19500876
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
境田 清隆 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10133927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榊原 保志 信州大学, 教育学部, 教授 (90273060)
高橋 日出男 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (40202155)
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Keywords | ヒートアイランド / 海風 / 山風 / ラフネス / 接地逆転 / 局地循環 / 緩和効果 |
Research Abstract |
境田清隆は仙台市において、宮城県本庁舎とその周辺で、8月〜11月に観測を実施し、海風吹走時と夜間の接地逆転形成時における高層建築物の果す役割について考察した。その結果、海風に伴う冷気が高層建築物に当たって地上まで降下し、気温の低下を引き起こしていること、さらに夜間の微風が建物の影響で上下混合を引き起こし、接地逆転を破壊していることを確かめた。前者は日中のヒートアイランドを緩和し、後者は夜間のヒートアイランドを促進する効果を持つものといえる。平成20年度は前者についてより明瞭な観測結果を得るべく、4月〜7月に観測を実施する予定である。 榊原保志は長野市において裾花川から吹く山風とヒートアイランドの関係を調べるため、長野市内で10地点、裾花川流域で3地点の観測点を設置し、鉛直気温と風を中心に日射量や地温を含む総合的観測を開始した。裾花川から吹く山風は、浜田らが報告しているようにかなり低温で大きな風速を伴った冷気移流であり、仙台の海風とは発現時刻も含め異なる部分が多く、ヒートアイランドへの影響の差異が明らかになるはずである。高橋日出男は仙台の都心におけるDSM(数値地表モデル)標高データを購入し、海風や山風などの局地循環に及ぼす建物の影響を量的に見積る準備を開始した。平成20年度には仙台と長野の観測結果を持ち寄り、高橋の数値解析結果を加え、局地循環が建物によってどのように変形し、ヒートアイランドの強度や形態を変えるか、明らかにできるものと期待される。
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Research Products
(6 results)