2007 Fiscal Year Annual Research Report
海成段丘を切る活断層の成因と古環境・古地震学的意義の解明
Project/Area Number |
19500887
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山崎 晴雄 Tokyo Metropolitan University, 都市環境科学研究科, 教授 (70260784)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 毅彦 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (60240941)
|
Keywords | 活断層 / 海岸段丘 / 地震 / 自然災害 / 環境変動 / 断層長 / 海水準変化 |
Research Abstract |
活断層は内陸大地震の震源となるため、防災や原子力安全性評価の上で近年重要性を増している。しかし、その成因は未解明の部分が多く、延長の短い断層について単純にその長さから経験式使って地震のマグニチュードを推定することには疑問が示されている。本研究は海成段丘上に認められる延長の短い(10km以下)を取り上げ、その成因を検討するものである。 19年度は日本における海成段丘上の短延長活断層の抽出を行った。その分布は北海道と関東を含む東北日本〜中部地方に集中し、西南日本にはほとんど認められない。これは海成段丘発達の地域差に起因すると考えられる。次に、変位の明瞭な、北海道北西部、日高海岸、下北半島、五能海岸、男鹿半島地域、御前崎、能登半島などを選び、地形分類、沿岸海底地形、地質構造、地震活動との関係を考察した。特に北海道北西岸、能登半島、下北半島について調査を集中し中間的な成果を得た。北海道北西岸は沖合に南北走向の構造線があり、歴史的にM6クラスの地震活動が起きている。2004年留萌支庁地震では発震機構からこの構造線の活動が推定され、海成段丘を切る活断層は震源域の上に位置し、ずれの向きが逆であることから、構造線の活動に伴う非起震性のバックスラストと考えられる。非起震性断層は海成段丘にかなり多いと思われるので20年度は事例を増やして特徴をまとめる。一方、下北半島や能登半島の短延長活断層は構造線との関連が薄い。いずれも小規模な地質構造境界と一致し、高角の逆断層が発達する点は似ているが、地震との関連は不明である。 19年度は能登半島および新潟県中越沖地震の発生があり、その対応で本研究の現地調査が実施できなかった。20年度は野外調査から地質構造データの把握にも力を注ぎ、短延長活断層の成因分類を充実させる。
|
Research Products
(2 results)