2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の生理機能によぼす通信領域の高周波電磁波の影響
Project/Area Number |
19510032
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
池原 敏孝 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (40111033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木内 陽介 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80035807)
高橋 章 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90304047)
石澤 啓介 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60398013)
森本 敏文 宅間電波工業高等専門学校, 情報通信工学科, 教授 (30044689)
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Keywords | 電磁波 / 438.5MHz / 細胞内カルシウム濃度 / 低浸透圧 / アクチン蛋白質 / 変動磁界 / 1.5テスラ / 細胞容積調節機構 |
Research Abstract |
研究目的にもとついて現土以下の2項目を明らかにした。 1、ウシ副腎髄質クロマフィン細胞に及ぼす電磁波(周波数438.5MHz)の影響を調べた。実験では細胞を種々の時間この電磁波に曝した後、アセチルコリンの添加による細胞内小胞体から細胞質へのCa^<2+>放出と、培養液を等浸透圧ではあるが高いK^+濃度溶液に交換による細胞膜Ca^<2+>チャネルを介する外液Ca^<2+>の細胞質への流入の両機構を細胞内Ca^<2+>濃度の時間的変化を測定した。対照群はいずれの測定とも一過性のCa^<2+>濃度上昇を示した後、徐々に減少し正常細胞レベルに回復した。電磁波曝露群はいずれの実験でもその最大値および回復時間ともに対照群と有意な差は認められず、この細胞ではこれら2つの機構による細胞内Ca^<2+>濃度上昇に対しては影響を及ぼさないとみられる。 2、同細胞を6秒間隔の最大1.5テスラの変動磁界に2時間曝露後低浸透圧溶液に交換し、この時見られる容積変化への磁界影響を調べた。低張液への交換は初期の一過性の細胞容積増加とその後の正常値への回復を示した。磁界曝露細胞では初期の増加が促進され、さらに回復を遅延した。また、細胞容積調節機構には重要な働きをする細胞内アクチン蛋白質は、対照群では一過性の減少と正常値へ回復の傾向を示した。磁界曝露により細胞内アクチン量が有意に減少することを確認した。また曝磁細胞において、低張液交換後もアクチン量の低下が測定されたが、この低下から液交換以前の値への回復だけでなくその傾向も認められなかった。また、共焦点レーザー顕微鏡による形態にも磁界影響が認められた。これらの磁界曝露による影響は、アクチンの重合阻止剤作用細胞でも同様に確認された。これらの結果から、この変動磁界曝露は細胞内アクチン蛋白質の重合や脱重合機構に影響を及ぼすものと考えられる。
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Research Products
(6 results)