2009 Fiscal Year Annual Research Report
上賀茂地域における自然と文化に関する調査と住民との協働による保全継承手法の研究
Project/Area Number |
19510051
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
勝矢 淳雄 Kyoto Sangyo University, 理学部, 教授 (00065848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 勝彦 京都産業大学, 文化学部, 教授 (50103718)
山岸 博 京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)
野村 哲郎 京都産業大学, 工学部, 教授 (50189437)
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Keywords | 賀茂地域 / 賀茂文化 / 住民との協働 / スグキナ / ナミテントウ / 温暖化 / 在来野菜 / 「佐波賀」ダイコン |
Research Abstract |
1.上賀茂における地域の自然特性に基礎をおく調査・研究とその展開:(1)スグキナの研究:スグキナを含むカブ及びカブと同様に我国で古い栽培の歴史を持つダイコンについて、品種のなりたちを調べた。またスグキナと同様に京都の在来品種として発達した'佐波賀'の起源を分子遺伝学的手法を用いて明らかにした。(2)ナミテントウの研究:上賀茂地域で2002年より実施しているナミテントウの鞘翅斑紋の多型の調査を継続して行った。特に京都産業大学構内の越冬集団のデータと隣接した京都大学農学部演習林上賀茂試験地の気象データを分析し、斑紋型割合の変動と気象変動との関連性を検討した。 2.住民との協働による社会貢献手法の確立:(1)住民との協働組織の形成と協働のための方法の体系化:活動の失敗、行き詰まり、成功の事例を実践活動を通じてまとめた。下鴨を中心にはじめた賀茂学検定は失敗した。その原因は千年以上にわたる上賀茂と下鴨の反目にあった。他地域における住民活動の反対者の意識を調査しまとめた。(2)上賀茂地域では、北大路魯山人生誕地石碑建立で出来た組織を基盤にして、ジュニア上賀茂検定を提案し実施することになった。魯山人石碑を執拗な反対があったにもかかわらず完成したことによる住民の自信と地域活性化への思いが、次の活動への強い牽引力になった。また、熱の冷めないうちに次々とアイディアを提案していくことが大切である。次の活動事例として、池大雅の顕彰碑を提案した。地域の内外にかかわらず魅力あるアイディアを提案する人と、地域内で実行に移す適切な人(指導者)および組織がなければ活動は困難であることがわかった。下鴨地域では、引き続き子供写真教室と糺の森自然観察会を実施、地元との協働の方法についてのノウハウを蓄積した。(3)住民との協働による研究成果の保存について、賀茂文化研究会の会誌「賀茂文化」第7号を発行した。
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Research Products
(19 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
山岸博
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Journal Title
日本列島におけるカブとダイコンのなりたち(木村栄美編「コーラシア農耕史.4.さまざまな栽培植物と農耕文化」)(臨川書店)
Pages: 229-239
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