2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト間葉系幹細胞を用いたサリドマイド誘発奇形の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19510076
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
高木 篤也 National Institute of Health Sciences, 毒性部, 室長 (00179417)
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Keywords | サリドマイド / 間葉系幹細胞 / 発生・分化 / マイクロアレイ / 遺伝子 / ヒト / マウス |
Research Abstract |
サリドマイドによるヒトの四肢低形成奇形については、血管形成阻害、酸化的DNA傷害、代謝物の関与等の種々の仮説が提案されているが、未だ明らかでない。そこで、本研究は初期の血管形成前の肢芽(手足の原基)に対する影響をin vitroで見る系として、肢芽の間葉組織に近似したヒトの間葉系幹細胞を用い、サリドマイドの影響をマイクロアレイによって得られる遺伝子発現のプロファイリングによる遺伝子レベル及び細胞形態レベルで明らかにするとともに、サリドマイドで奇形形成を起こさないマウスの間葉系幹細胞での遺伝子発現と比較することにより、サリドマイドの感受性の種差の要因について明らかにする。平成20年度は、ヒト間葉系幹細胞の遺伝子発現に及ぼすサリドマイドの影響解析を前年度に引き続き実施した。なお、サリドマイドの添加溶媒としてDMSOを用い、サリドマイドを10^<-5>Mの濃度で培地に添加した。対照群にはDMSO(final 0.1%)を培地に添加した。添加0、2、4、8、24時間後に細胞を採取してプールし、RNA抽出用サンプルとした。次いで、アフィメトリクス社のGene Chip Human Genome U133 plus 2.0を用いて遺伝子発現解析を行った。また、その解析には定量的比較を正確に行うために、我々の開発したPercellome手法(細胞1個当たりのmRNA絶対量を得る遺伝子発現解析手法)を適用した。詳細については現在解析中であるが、発生・分化に関わる遺伝子の軽度変化が認められた。さらに、変動遺伝子を基にパスウェー解析を実施した。
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