2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンカーバイド基板上での高密度高配向ピーポッドの創製
Project/Area Number |
19510118
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
大門 秀朗 Kyushu Institute of Technology, 工学研究科, 准教授 (20324816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 正路 九州工業大学, 工学部, 准教授 (60264131)
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Keywords | ナノ材料創製 / カーボンナノチューブ / シリコンカーバイド |
Research Abstract |
シリコンカーバイド(SiC)基板上での高密度高配向ピーポッドを作製するに当たり、そのテンプレートとなるカーボンナノチューブ(CNT)を表面分解法で高密度高配向に作製できる条件を探るため、高真空から大気中まで真空度を変化させてSiC基板を加熱し、表面に形成されるナノ構造物を透過電子顕微鏡(TEM)で観察した。高真空(10^<-3>Pa)での加熱では表面に高密度高配向のカーボンナノチューブが形成され、これまで他の研究グループで行われている追試が成功した。その過程で、分圧真空計によりCNT作製時の分圧を測定すると、質量数44のSi0のピーク以外に、質量数29から33にかけてのピークが観察された。それらのピークはSiH^<3->、SiH_2^<2->、SiH_3^-、SiH_4、SiH_5^+であると考えられる。この結果より、今まで残留ガスの酸素だけがSiC表面上でのSi原子の脱離に影響を及ぼしていると考えられていたが、水素もSiC表面上からSi原子を脱離させるのに影響を及ぼしていることが明らかになった。これは、これまで通説だった表面分解法のメカニズム以外の反応過程があることを示唆するものであった。大気中でSiC基板を加熱した表面構造をTEM観察すると、表面に厚さ10nm程度のSiO_2の多結晶の膜が形成された。この表面の回折パターンのデバイリングの解析から、この多結晶層はβ-クリストバライトのSiO_2層であることが分かった。本結果から、SiC基板上でのCNT形成に関して、広い真空度の範囲で多くの知見が得られた。
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Research Products
(2 results)