2007 Fiscal Year Annual Research Report
海上交通の安全性向上のためのインテリジェント型衝突警報システムの開発
Project/Area Number |
19510172
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丹羽 量久 Nagasaki University, 大学教育機能開発センター, 教授 (90448499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 和彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60106804)
古賀 掲維 長崎大学, 大学教育機能開発センター, 准教授 (60284709)
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Keywords | 海上交通 / 次世代交通システム / 人工知能 / 安全システム / 航行シミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、海上交通の安全な航行環境を確保するために、人工知能を適用した自動航行が可能な『輻韓海域交通流シミュレータ』を用いて、輻韓海域における船舶の将来動向を予測することにより衝突の危険性が高い船舶を特定し、適切な回避措置をガイダンスするシステムを開発する。 船舶の将来動向を正確に予測するためには、『輻較海域交通流シミュレータ』には現実に近い操船を行わせることが重要である。そこで、平成19年度においては主に以下の研究活動を行った。 東京湾における船舶の実航行記録を調査して、横切り等の多数のケース対して避航操船がなされたと推測された船舳「着目船舶」を選別した。この「着目船舶」とその相手と推測できる「対象船舶」の針路、速度、絶対・相対航跡の変化を分析するとともに、『輻較海域交通流シミュレータ』に装備している大阪大学方式による衝突危険度CRとの関連性を詳細に分析し、避航の方法と開始時期を把握した。また、『輻輳海域交通流シミュレータ』を用いて、「着目船舶」および「対象船舶」が針路・速度を変更せずに現況を継続した場合の将来予測を行い、避航操船の妥当性を評価した。これらの分析・評価結果を使ってCRの算出方法を検討した。 さらに、現行の海上保安庁方式による危険度判定を行い、上述の大阪大学方式によるものと比較し、両者の特徴について分析を行った。たとえば、大阪大学方式では着目船舶の衝突危険度CRが急激に増大しているにもかかわらず、現行海上保安庁方式では危険と感じないケースがあった。また、「対象船舶」が停泊している場合、いずれの方式においても危険度判定に問題があることがわかった。
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