2008 Fiscal Year Annual Research Report
緊急地震速報を利用した入力地震動波形のリアルタイム推定手法構築と構造制御への応用
Project/Area Number |
19510186
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Research Institution | Taisei Technology Center, Taisei Corporation. |
Principal Investigator |
長島 一郎 Taisei Technology Center, Taisei Corporation., 建築技術研究所防災研究室, 室長 (10374042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 智昭 大成建設(株)技術センター, 建築技術研究所防災研究室, 課長 (20374043)
内山 泰生 大成建設(株)技術センター, 建築技術研究所防災研究室, 課長代理 (30374044)
欄木 龍大 大成建設(株)技術センター, 建築技術研究所防災研究室, 課長代理 (40374045)
糸井 達哉 大成建設(株)技術センター, 建築技術研究所防災研究室, 主任 (60393625)
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Keywords | リアルタイム地震防災 / 入力地震動 / 地震動シミュレーション / システム同定理論 / 部分空間法 / 状態方程式 / 緊急地震速報 / 構造制御 |
Research Abstract |
地震時に震源近傍の観測波形を、予め状態方程式の形式で同定しておいた伝達特性モデルに入力して、震源から離れた想定地点における主要動の地震動波形を、その到達前に推定する「入力地震動波形のリアルタイム推定手法」の構築を目的とする。従来のリアルタイム地震防災システムには無い波形推定の実用化を目指している。 本推定手法を実用化するには、対象とする周波数帯をオンラインで抽出する必要がある。2004年9月5日紀伊半島南東地震の前震、本震、余震と2004年新潟県中越地震の本震と余震を例題として、4秒程度以上の長周期地震動成分を対象に、震源近傍と想定地点間の伝達特性モデルを同定する際に、震源近傍の地震動波形に4次のバンドパスフィルターを適用し、フィルターによる位相ずれの影響を伝達特性モデルで補償する方法を考案し、想定地点における位相ずれのない地震動波形をオンラインで推定する「地震動予測フィルター」を構築した。 周期1秒程度以下の短周期成分については、2007年3月の能登半島沖地震の余震群を対象として分析を実施した。スペクトルインバージョンの方法を援用し、スペクトル振幅およびS波の到達時間と群遅延時間を対象に、震源特性、伝播経路特性、サイト増幅特性の同定を行った。震源近傍と想定地点の2地点間のスペクトル振幅比と、S波到達時間・群遅延時間を利用して、想定地点の波形がある程度推定可能である事を示した。 地震動波形をインターネットで伝送する実証的な検討も行った。安価なデータ伝送手段としてADSL(8M)を経由して、企業内のイントラネットへ地震動波形データを伝送した。イントラネット内では安定して数十msec程度の時間遅れでデータ伝送が可能であったが、ADSL経由の場合、回線瞬断により180秒間に1回程度2〜3秒程度の遅延が発生した。遅延対策が必要であるが、実用上十分な速さでデータ伝送できる事を実証した。 以上より、入力地震動波形推定手法を実用化する上で有用な成果と知見が得られた。
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Research Products
(6 results)