2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510193
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
牛山 素行 Shizuoka University, 防災総合センター, 准教授 (80324705)
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Keywords | 豪雨災害 / 災害情報 / 人的被害の軽減 / リアルタイム雨量・水位情報 / 避難 / 警報 |
Research Abstract |
・豪雨災害による犠牲者に関するデータベース化を2004年から2009年の間の主要災害すべてに拡大し,(1)年代構成で見ると犠牲者は高齢者に偏在していること,(2)遭難場所は屋外の方が屋内より多いが土砂災害に関してのみは逆であること,(3)避難行動をとったにもかかわらず遭難した犠牲者が無視できない程度(約1割)存在し,主に洪水に起因して発生していること,(4)自ら危険に近づいたことによって遭難した「能動的犠牲者」が全体の3割以上を占めること,などを明らかにした. ・2009年8月に兵庫県佐用町で発生した豪雨災害時の人的被害を調査し,(1)避難途中の犠牲者が1980年代以降最大となったこと,(2)犠牲者は避難勧告発令より前に自主的に避難行動を起こしていた可能性が高いこと,(3)犠牲者を出した地域は地域防災活動に熱心だったが,その対象は主に地震災害であったこと,(4)自発的に決めた避難経路の選択や避難タイミングがかえって犠牲を拡大した可能性があることを指摘した.また,この災害を教訓とし,住民参加型の防災活動に災害科学の専門家が参画する必要性を指摘した. ・人的被害を軽減する方法の一つとして,課題探索型防災ワークショップを提案し,その方法論を整理した上で,岩手県などで行った試行例をもとに,準備,実施,結果整理の内容を整理した.また,ワークショップの効果測定の一手法として,ワークショップ実施前後の実施地域の避難場所の外面的な変化を観察し,ワークショップでの議論の内容が反映されることは限定的であることを確認した.
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Research Products
(16 results)