2009 Fiscal Year Annual Research Report
音響を用いた新たな吹雪計測方法の開発と野外広域観測への応用に関する研究
Project/Area Number |
19510195
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
小杉 健二 National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, 雪氷防災研究センター・新庄支所, 主任研究員 (40425509)
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Keywords | 吹雪 / 自然災害 / 防災 / 自然現象観測・予測 / 風洞実験 / 計測 |
Research Abstract |
近年、種々の吹雪の対策が進められているが、時として吹雪は視程障害による自動車の多重衝突事故や吹き溜まりによる通行止めなど深刻な災害をもたらす原因となり、その脅威が無くなっていないのが現状である。吹雪対策の困難な点は、吹雪が時間的、空間的に大きく変動する性質をもつことにある。本研究では、将来の吹雪の変動特性の解明を目指し、野外における吹雪の多点観測に用いることが可能な、新たな吹雪計測方法を開発することを目的とする。防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄支所の雪氷防災実験棟の低温風洞や降雪装置を用いて吹雪を発生させ、質量フラックスと吹雪中に置かれた音響センサーからの電圧出力の関係を調べた。吹雪の質量フラックスの測定には、従来型のネット式吹雪計を用いた。実験条件としては、風速、質量フラックス等があるが、今年度は特に、雪質の条件に着目して実験を行った。同一の条件下では、音響信号の分散と質量フラックスの関に良い相関が示される。このことは、音響センサーに衝突する粒子数の増大とともに、発生する音が大きくなることを表している。異なる雪質、例えば球形に近い粒状の雪粒子を用いた場合と、降雪装置から降る樹枝状の雪粒子を用いた場合では、その関係は異なる。これは音響センサー周囲の雪粒子の挙動の違いによるものと考えられる。音響センサーの出力は複数の条件に依存するので、質量フラックスの測定精度向上のためには、他のセンサーの併用などが一つの方法と考えられ、今後の課題である。
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