2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510212
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
野路 征昭 Tokushima Bunri University, 薬学部, 准教授 (80271534)
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Keywords | 硫黄同化 / システイン生合成 |
Research Abstract |
植物の硫黄同化・システイン生合成経路は、複数の酵素ステップからなり、各酵素ステップには細胞内局在性などが異なる複数のアイソザイムが関与している。モデル植物シロイヌナズナの場合、システイン生合成の鍵酵素であり、セリンとアセチルCoAから、システインの前駆体となるO-アセチルセリン(OAS)を生成するセリンアセチル転移酵素(Serat)には5つのアイソフォームが存在している。今回、Seratアイソフォーム遺伝子にT-DNAが挿入されたノックアウト変異体を単離し、さらに各ノックアウト体を掛け合わせることにより2重、3重、4重変異体の作製に成功し、それら変異体の解析を行った。その結果、5つあるSeratアイソフォームのうち、どれか1つが残っていればシロイヌナズナは生育可能だったことから、シロイヌナズナゲノムに存在する5つのSeratアイソフォームは機能的にセリンアセチル転移酵素活性をもつことが証明された。また細胞内のOAS生合成に最も関与しているのは、ミトコンドリアに存在するSerat2;2であることが明らかになった。一方、葉緑体に存在するSerat アイソフォームであるSerat2;1は、OASの生合成および、それに続くシステインの生合成にそれほど関与していないことが示唆された。細胞質に局在するアイソフォームであるSerat1; 1, Serat3; 1, Serat3; 2は植物が種子を形成する際に重要な役割を果たしていることが強く示唆された。
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