2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経伝達系におけるグルタミン輸送を制御する化合物の創製
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19510228
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
島本 啓子 Suntory Institute for Bioorganic Research, 研究員 (70235638)
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Keywords | グルタミン / トランスポーター / 阻害剤 / グリア細胞 / 立体配座固定 / シスチン / グルタミン酸 / ヘテロエクスチェンジ |
Research Abstract |
ASCT阻害剤として、アミノ酸部位まで含めたグルタミンの立体配座を二環で固定したMPDC類縁体を、EAATのPharmacophore modelからデザインして合成した。鍵反応となる三員環構築における触媒を検討し、目的の立体を優先的に得る条件を見出した。C6細胞におけるグルタミシ取込阻害能を測定した。対応するカルボン酸と比べると、アミド体(グルタミンの模倣体)のほうが若干阻害が見られ、構造を認識していることは示唆されたが、阻害活性は弱いもので、今後の研究には不適当と判断した。今後はGlut_<ph>-TBOAの結晶構造から構築したASCT2モデル用いて、以前に阻害活性をもつCCG-III amideの置換基の位置や種類の最適化を行う。 ASCT2は細胞外の基質を取り込み、代わりに細胞内の基質を排出するヘテロエクスチェンジという機構で機能する。一方、EAATは細胞外の基質を取り込んだ後、カリウムイオンを排出することで細胞内基質を輸送することなく元の状態へ戻るサイクルが優勢である(一部はヘテロエクスチェンジも起こす)。ヘテロエクスチェンジの機構を調べるために、同様にヘテロエクスチェンジでグルタミン酸とシスチンを交換するxCTに注目し、その阻害剤合成を行い、シスチン誘導体に阻害活性を見出した。基質結合部位の構造を明らかにするために、分子プローブ化を進めている。
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Research Products
(2 results)