2008 Fiscal Year Annual Research Report
わが国のウメ全品種の染色体数の解明-新品種作出のための基礎データ
Project/Area Number |
19510233
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岩坪 美兼 University of Toyama, 理工学研究部, 准教授 (10201344)
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Keywords | ウメ / 品種 / 染色体数 |
Research Abstract |
本研究は、掛け合わせによる効率的な品種改良を行う上において、染色体数は必須の情報であることから、ウメの各品種とともにウメ品種作出に関わったと考えられる近縁種の染色体数を明らかにすることを目的として、20年度は大阪城公園と埼玉県花と緑の振興センターに栽培されている植物を対象に調査を行った。 大阪城公園の実梅4品種はすべて二倍体(2n=16)であった。花梅品種では、曙枝垂、旭鶴、東錦、梓弓、紅千鳥、紅筆、紅冬至、豊後、御所紅、初雁、緋の袴、緋の司、一重緑蕚枝垂、一重野梅、傅粉、幾夜寝覚、寒紅、華農玉蝶、春日野、見驚、鹿児島紅、古今集、紅玉枝垂、江南、江南所無、香篆、黒田錦、舞扇、満月、満月枝垂、摩耶紅、夫婦梅枝垂、道知辺、未開紅、名古屋紅梅、夏衣、日光、思いのまま、大盃、淋子梅、労謙、緑蕚、緑蕚枝垂、佐橋紅、西王母、青竜枝垂、西洋梅、鹿之谷紅梅、東雲、白玉、送春、筋入茶蕚、鈴鹿の関、小緑蕚、玉垣枝垂、単弁跳枝、てっけん、朱鷺の舞、司枝垂、月影、月影枝垂、月の桂、雲錦朱砂、八重揚羽、八重海業、八重祭笠枝垂、八重緑蕚、八重唐梅、八重野梅は二倍体(2n=16)、武蔵野と高砂が三倍体(2n=24)であった。埼玉県花と緑の振興センターの実梅6品種もすべて二倍体(2n=16)であった。花梅では64品種が二倍体(2n=16)、滄冥の月は三倍体(2n=24)であった。また武蔵野には二倍体と三倍体の2タイプが存在した。昨年と今年の結果を合わせても実梅品種はすべて二倍体であり、花梅品種も多くは二倍体であった。三倍体品種は興津赤花、茶寿の他に、杏系豊後性一重品種の滄溟の月、杏系豊後性八重品種の美幸、桜鏡、乙女の袖、武蔵野(二倍体型も存在)の5品種、それに野梅系の塒出の鷹だけである。三倍体梅品種のほとんどは杏系豊後性の品種であり興味深い。また滄溟の月、乙女の袖、武蔵野、美幸では三倍体であっても結実が知られていることから、それらの結実の量および果実のサイズは興味深い。
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