2007 Fiscal Year Annual Research Report
スターリン時代のソ連国境地帯における民族問題と統治政策に関する基礎的研究
Project/Area Number |
19510242
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺山 恭輔 Tohoku University, 東北アジア研究センター, 准教授 (00284563)
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Keywords | スターリン / モンゴル / チョイバルサン / 満洲国 / ノモンハン / 国境紛争 / 動員 / 軍事的協力 |
Research Abstract |
本研究では、ロシア・ソ連の全国境を地域的に八区分(フィンランド、西北部、西部、カフカース、中央アジア、新疆、モンゴル、極東)、時期的に四区分(国境形成、戦間期、戦時国境縮小・拡大期、戦後)し、特に国境地域に居住する民族問題に焦点を絞りつつ、国境隣接国との歴史的関係、国境成立にいたる背景、地勢学的特徴、民族構成、宗教・経済関係、国境線をめぐる紛争、国境変動の要因と変動過程、ソ連全体の安全保障的観点から判断される当該地域の持つ軍事的意味等の諸問題について個別的に検討を加えるとともに、国境警備隊の整備や税関の機能等全国的な国境統治の実態を改名することを目的とするが、本年度はモンゴル国境について1930年代を中心に考察した。これまでの先行研究ではほとんど利用されていなかった政治局文書を中心に、モンゴルに対するソ連の輸送・動員政策、軍事的関与を跡づけた論考(約200枚)は、2008年度中に東北アジア研究センター叢書として刊行する予定である。まとめるにあたって、これまで蓄積してきた史料とともに、2007年6月、9月にモスクワに滞在した際に収集した新史料も駆使した。次のターゲットである西部国境地域に関して、ウクライナ、白ロシア地方及びそれと国境を接する、ポーランド、ルーマニアとソ連の関係に関する史料をかなり収集し、2008年度に遂行する研究の準備も同時に行った。
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