2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510264
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北原 淳 Ryukoku University, 経済学部, 教授 (30107916)
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Keywords | タイ / ミャンマー人労働者 / 量的データ / 質的データ / 生資料 |
Research Abstract |
1. 夏休み中にターク県メーソートに出向いて、ミャンマー人労働者を対象として、量的な調査票調査および質的なフリーインタビューの2種の聞取調査を実行した。前者は調査相手にラポールのあるミャンマー人移動労働者支援NGOのスタッフの協力をえて、調査票を600名分集めることができた。この調査票調査では、すでに先行調査研究のある繊維工場の調査は200人分程度に限定し、農業、建設労働などの季節的・日雇的労働者の調査にも重点をおいた。そのため、女工哀史的な工場労働者だけでなく、移動労働者の職種別、民族別の多様性を示す一次資料を集めることができた。また、同NGOの紹介や個人的ネットワークを通じて、特定個人に対して詳細なフリーインタビューを行い、そのデータ記録を20名分ほど集めることができた。その他、調査現場の写真、調査記録等の一次的な生資料を収集することができた。 2. なおこの諸民族(エスニック・グループ)、農業労働者等の調査では、メーソート市周辺20-30キロ圏内の米作農村はもちろんだが、100キロ近く離れた山麓開墾地農村を訪問して、民族別の集落的居住地で聞取調査をする必要も生じた。これを通じて、市周辺部の工場、建設現場等で行った通常の調査とは全く異なる生活・労働環境で生活する移住労働者を観察し、諸情報を聞き取ることができた。 3. 集めた調査票600部については、研究助手の協力をえて、工場労働、農業労働、建設労働、店員等の業種別の単純集計作業を行った。その結果をふまえて、5.の二次史料をも参照しながら、分析を継続し、研究会等でその中間報告を行った。 4. フリーインタビュー記録、および、調査現場記録は文章データ化を行った。その整理をふまえて、民族別の分析は、少数民族カレン族の移住・定着状況の分析を行い、成果の一部は近刊書の1章に掲載される予定である。業種別の分析はまだ進行中であるが、今後は、量的な調査票の集計データとの調整と統合とが課題であろう。 5. 二次データは、ターク県庁統計部・工業部、県商工会議所、メーソート郡庁、外国人労働事務所等に出向いて、担当職員から直接的な情報をえるとともに、関連文書、統計データをもらうことができた。
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Research Products
(1 results)