2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19510264
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
北原 淳 龍谷大学, 経済学部, 教授 (30107916)
|
Keywords | タイ / 外国人労働者 / ミャンマー人 |
Research Abstract |
タイの東岸部で行った外国人労働者調査をふまえて、最大多数のミャンマー人労働者に焦点を絞って、とくに彼らが出入国移動を繰り返している両国の国境地帯の労働と生活の状況を調査することにした。そして2007年の予備調査で広域的な聞き取り、観察調査を行った結果、調査地として、彼らが最も集中しており、また工場労働者の調査研究成果も多い、ターク県を選ぶこととした。そして調査対象の業種を、工場労働者だけでなく、農業、建設、店員等の業種を含めることした。ただし、実際に調査できた労働者は、NGO組織が接触し、支援している人々に限定される傾向があった。労働者は様々な形の不法労働者であるために、直接会って聞き取りをすることは不可能だったからである。調査では調査票調査と自由聞き取り調査とを行い、両方のデータを複合し、総合して、分析、解釈しその成果を2011年3月に科研報告書(170頁分)にまとめて簡易印刷にすることができた。同報告書では、論文として、「タイ国境地帯におけるミャンマー労働者の労働と生活」(I-40)、「ミャンマーのディアスポラ:国境地帯のカレン族の事例」(41-60)、「タイにおけるミャンマー移民工業労働者の分析:北部タイメーソート管区の事例」(61-65)の3本を掲載し、関連データとして、関連統計表(61-72)、調査票集計表(73-108)、調査記録ノート(109-170)を収録した。まだ不十分ではあるが、論文および関連データは一定の成果であった、と思われる。とくに、冒頭論文は、関連データにもとづいて、調査地メーソートの経済状況と業種別(農業、繊維業等工業、建設業、家事労働、店員)の労働者の分析とを行っているが、タイ人研究者のそれをも含めて、当地においてミャンマー人労働者の業種別の検討を行った研究成果は皆無に近いので、一定の価値があるものと思われる。今後はこの内容を洗練させて、正規印刷にする必要があろう。また、聞取り記録データに載せたが、データ国境地帯のタイ・ミャンマー間の人、モノ等の不法な自由な移動の実態を観察し、聞取りをしたのも思わぬ成果であったと思われる。
|
Research Products
(1 results)