2008 Fiscal Year Annual Research Report
セクシュアリティの観点から見た近代フェミニズム思想の成立と展開
Project/Area Number |
19510282
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Research Institution | Nagoya Keizai University |
Principal Investigator |
川津 雅江 Nagoya Keizai University, 法学部, 教授 (30278387)
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Keywords | ジェンダー / セクシュアリティ / フェミニズム / 英米文学 / 西洋古典 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に国内外で収集した女性同性愛関係、セクシュアリティ関係、ジェンダー関係などの基本的資料・文献・刊行物をより一層充実させるとともに、これらの資料等のデータベース化と緻密な分析の作業を進めた。 本年度の研究成果の一部については、和・英文の論文を学会誌や共著の論集などで公表するとともに、国内の学会で口頭発表した。論文「ウルストンクラフトとサッポーと女性のセクシュアリティ」では、ウルストンクラフトのフェミニズムと伝統的なサッポーのセクシュアリティの言説の関わり、ゴドウィンによるウルストンクラフト伝とオウィディウスのサッポー、および彼女の投身自殺との連想について考察した。論文「『女性の夫』のジェンダー偽装とセクシュアリティ」では、18世紀における女性と結婚した女性の文化的現象とセクシュアリティについて分析した。また、男装のフェミニストの戯画化について考察した論文「男装の喜劇役者-マライア・エッジワース『ベリンダ』(一八〇一)」を18世紀の女性作家たちの作品を分析する論集(共著)に収めて刊行するとともに、“Cross-Dressing and Gender on the Stage: Maria Edgeworth's Belinda"を英文の論文集(共著)に収めて刊行した。訳書『グリーンライティング』の一部では、本論の研究に関連のある女性の権利を巡る言説を扱った。口頭発表「男装のサッポーとセクシュアリティ」では、ウィリアム・メイソンの叙情劇が、当時のフェミニストたちのセクシュアリティ観と相似していることを論じ、「親密な関係の女性たち」では、18世紀末期から19世紀はじめにかけての女性の友情関係と同性愛の言説を考察した。
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Research Products
(7 results)