2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本倫理思想史における情念の総合的研究 ~『源氏物語』を機軸として~
Project/Area Number |
19520004
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木村 純二 弘前大学, 人文学部, 教授 (00345240)
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Keywords | 倫理学 / 思想史 / 日本倫理思想史 / 情念 / 源氏物語 / 和辻哲郎 |
Research Abstract |
本研究は、平成22年度末で終了する予定であったが、研究代表者および研究協力者が研究成果を報告しあうための研究報告会が東日本大震災の影響により開催延期を余儀なくされ、同23年度にまで繰り越すこととなった。その研究報告会は、同年5月4~5日に無事開催され、各自の研究成果をまとめた論文の構想発表と相互の討議が行われた。そこでの議論を踏まえて執筆された論文の完成原稿は、学術雑誌『季刊日本思想史』(ぺりかん社)の『源氏物語』特集号として発表されることになっており、すでに論文は提出されている。現在は、同誌の他の特集号との兼ね合いもあり、入稿作業が行われている最中で、今後著者による校正を経て、平成24年7月ごろ刊行される予定である。論文の執筆者と表題は、以下の通りである(研究代表者である木村以外のメンバーは、本研究課題の研究協力者)。 ・木村純二「恋の思想史-『源氏物語』の到達点」 ・栗原剛「『源氏物語』における情死の可能性-近世町人文学との距離」 ・木澤景「極楽浄土のあらわれ-『源氏物語』と日本仏教における浄土の思想」 ・藤村安芸子「女三の宮の出家」 ・板東洋介「『源氏物語』享受の論理と倫理」 ・吉田真樹「六条御息所の生霊化の基底について」 また本研究では、日本倫理思想史の方法論研究の一環として、日本倫理思想史研究の先駆的業績である和辻哲郎の『日本倫理思想史』の研究を並行して行ってきた。その成果を取り込み、木村が本文の校訂、註・解説を担当した岩波文庫版の和辻『日本倫理思想史』全4巻が、2011年4・6・8の各月および2012年2月に刊行された。
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Research Products
(1 results)