2007 Fiscal Year Annual Research Report
パンドルフォ・ペトルッチ時代のシエナ芸術研究-1500年前後の芸術奨励政策-
Project/Area Number |
19520094
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
上村 清雄 Chiba University, 文学部, 准教授 (60344959)
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Keywords | 美術史 / ペトルッチ / シエナ / 芸術奨励政策 / 宮廷文化 |
Research Abstract |
本研究は,1487年から1512年の死までイタリア中部の都市シエナを実質的に支配したパンドルフォ、ペトルッチが,自ら造営した宮殿(パラッツォ、デル、マニフィコ)の装飾をはじめとする芸術奨励事業を,依頼主,構想した人物,制作に携わった実際の芸術家の観点から,それぞれ具体的にあとづけて,従来の研究業績を踏まえながらこの時期のシエナ美術全体の眺望を定めることを目的としている。 ルネサンス期シエナを対象とする研究の進捗はめざましく,具体的な成果として,2005年にイタリアで刊行された『ピウスニ世と芸術』(2005年)および2007年10月から2008年1月までロンドンのナショナル、ギャラリーで開催された「ルネサンスシエナ展」の展覧会およびカタログがあげられる。当該年度では,これら基本図書を収集し,作品の基本データの蓄積につとめた。 イタリアでは,フィレンツェのバルジェッロ美術館,シエナの国立絵画館,シエナ美術品総監督局などで,関連作品の精査をおこなった。そして,文献および写真の熟覧を,フィレンツェのドイツ美術史研究所,シエナ美術品総監督局の図書室および写真資料室において実施し,『ピウスニ世と芸術』の編者を務め,ロンドンの「ルネサンスシエナ」展の主要な企画協力者である,シエナ大学文学部助教授アレッサンドロ、アンジェリーニ氏と意見交換を深めた。さらに,同氏とならんでシエナ美術研究の権威である,シエナ美術品総監督局主任研究員アレッサンドロ、バニョーリ氏とも意見交換をなし,次年度に予定している,現在個人所有であり公開されていないパラッツォ,デル,マニフィコの内部装飾の調査の事前打ち合わせをおこなった。
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Research Products
(1 results)